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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#6
SILVER CHARIOT 〜Crescent Knight〜
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ナが自棄になったように円卓を廻すので
食べずらいコトこの上ない。
 その山と積まれた中華菓子があっという間に半分以下になった頃。
「失礼、 “Monsieur” 」
 低いが、荘重な響きを持った男の声が静かに到来した。
「……」
「……」
 各々料理を口に運びながら、その男を一瞥する青年と少女。
 煌めく銀色の髪を獅子のように雄々しく梳きあげ、
やや細身だが十二分に鍛え抜かれ磨き上げられた体躯。
 ノースリーヴの黒いレザーウェアにラフな麻革のズボン、
腰には銀の鋲が付いた黒いサロンが巻きついている。
 耳元でハートの象徴(シンボル)を二つに切り刻んだような、
特徴的なデザインのイヤリングが揺れていた。
「少し、よろしいか? 私はフランスから来た旅行者なのですが、
その、フフ、恥ずかしながら “コレ” の中身が解らなくて困っていた所なのです」
 そう言って男は、手にした黒革のメニューを指先でトントンと軽く叩いてみせる。
 どことなく軽薄だが、荘重な言葉遣いのわりに人懐っこくて
こちらの警戒心を弛めるような明るい声。
「見たところ、貴公達も異国からの旅行者。
どうか御力添え願えまいか?
厚かましいと想われるかもしれないが、コレも何かの縁だと想って」
 なんとなく芝居がかって見えるが、
紳士的な口調と立ち振る舞いでこちらに言葉を投げかけてくる銀髪の青年。
 ソレに対し承太郎とシャナは、手にしていた酒とお茶を一口で開けると。
「やかましい。向こうへ行け」
「取り込み中よ。他を当たりなさい」
 それぞれ完璧な発音の英語でそう促す。
 ソレに対し、
「おいおい承太郎、それにシャナ。
まあいいじゃあないか、旅は道連れというだろう」
傍に座っていたジョセフが穏やかな声で二人を制する。 
「ほほぉ〜。フランスのパリから。
私は行った事はないが、それは美しい所らしいですなぁ〜。
いやいやイタリアのローマなら、地下のそのまた奥まで知っているのですが」
 元来の性格に共感する部分が在ったのか、
ジョセフはそのフランス人の男性と打ち解け
親しげに言葉を交わしている。
「ワシは香港には何度か来たことがありますからな。
レストランのメニュー位の漢字なら朝飯前ですじゃ。
ソレで……ほほう、エビとアヒル、それにフカのヒレとキノコの料理ですか?
初めてながらなかなかイイ所を突きますなぁ〜」
 ジョセフは笑顔でその男性に応対し、
中年のウェイターを呼び寄せて料理を注文する。
 そして自分の隣にそのフランス人を座らせ、そしてややあった頃、
目の前の円卓に運ばれてきたモノは。
「……」
「……」
「……」
「……」
 何やら香草の匂いのキツイ、牛の臓物の粥。
 目にも刺激的な大量の香辛料で煮込まれた
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