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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#6
SILVER CHARIOT 〜Crescent Knight〜
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中には食材の漢字が一つも入ってないモノまで在るのだ。
「……」
 しかたがないので辛うじて紹興酒と判別出来た項に視線を落とし、
なるべくタカソーで日本では飲めないモノを識別していると。
「何? もしかしておまえ、広東語が読めないの?」
 自分の脇に腰掛けた制服姿の少女が、澄んだ視線をこちらに送っていた。
「日本の義務教育じゃ英語しか教わらねーんでな。
オメーは読めるのか? 中国語」
 問われた少女は変わらぬ澄んだ瞳で、
「“中国語” なんて言語は、厳密には存在しない。
この国はその地域ごとに、言語や風習が全然違うのよ。無論文化もね。
国土が余りにも広大で人口が多過ぎてその歴史が長過ぎるから、
言語を一つに統一するコトは事実上不可能なの。
ちょっと北に位置が逸れただけで、
自分の知ってる言葉や常識が全く通じないなんてのは
ザラにあるコトだわ」
スラスラと一語一句違わず、まるで大学教授の講義のように
この中国大陸に於ける概念を口にする。
「……」
 その少女の言葉を聞きながら無頼の青年は、
(本当に “見掛け” で、判断出来ねーんだな……コイツは……)
そう心中で一人語る。
 アラストールに聞いた所によると、
“フレイムヘイズ” は王との 「契約」 を終えたその瞬間から、
肉体の「生長」が止まるそうだがそれはつまり、
この目の前にいる少女は自分よりも遙かに長い時を
生きているかもしれないというコトだ。
(そんなに昔から……もしかしたらオレが生まれるよりも前から……
コイツはたった一人で戦い続けてきたのか……
この広い世界で……ずっと……) 
 そう想い頬杖を付きながら、目の前で高説を続ける少女を
青年はその淡いライトグリーンの瞳で見つめる。
「な、なによ!? そんなジッと見たりして!」
 瞳を細め、微かに潤んだような美青年の視線に気づいた少女が、
その白い肌を突如真っ赤にして言う。
 だってソレは、とても優しげで温かで。
『なんかいつもと違うような』
 だが。
「イヤ、最初の “論点” からズレまくってんのに、
よくそんだけ話が続くもんだと想ってな」
 という青年の言葉により、己の勘違いだったと少女は一人そう解する。
 いつしか少女の有り難い(?)御高説は、
この中国大陸の風土を顕著に示す例として、
神話の領域の在る闘神の誕生にまで話が及んでいたからだ。
「う、うるさいうるさいうるさい! 
兎に角、旅行者なら他の国の言語くらい勉強しときなさいよ!
常識よ! 常識ッ!」
 そう言って青年から視線を切った少女は、己のメニューに向き直る。 
「しかたがないから、私がおまえの分まで頼んであげるわよ。
感謝しなさいよね!」
 青年には視線を向けずに少女は注文の為、
円卓の
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