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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#6
SILVER CHARIOT 〜Crescent Knight〜
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人生で3回も飛行機で墜落するなんて、そんなヤツあるかなぁ……?」
「……」
「……」
 空を剪るような降下音と共に。
 一度大きく傾き慣性体勢を立て直す航空機内先端で。



“もう二度とテメーとは一緒に乗らねえ”
“もう二度とおまえとは一緒に乗らないわ”



 青年と少女の言葉が重なった。




【2】

「たしかに! 我々はもう飛行機でエジプトに行くのは不可能になった!」
 航空機は、香港沖約35qの位置に着水した。
 迅速に対応した現地、国連両救護団の活躍で、
幸いにも不時着による犠牲者はゼロ。
 ジョセフ達は密かに連絡を取ったSPW財団の救護艇で
警察、マスコミの包囲網を抜け、数時間前無事入国する事に成功した。
「また……アノような 『スタンド使い』 に航空機内で襲撃を受けたなら、
今度こそは大人数を巻き込む大惨事を引き起こすだろう」
 世界都市、「香港」
 英名:ホンコン、広東名:ヒョンゴン、北京名:シァンガン等と表記される
この地の名称は、許は珠江デルタの東莞周辺から集められた香木の集積地と
なっていた湾、および沿岸の村の名前に由来する。
「陸路か……海路をとってエジプトへ入るしかない」
 1842年に清からイギリスに割譲された土地と租借地で、
以降はイギリスの植民地となっていたが、
1997年イギリスから中華人民共和国へ返還され、特別行政区となった。
 古くから東南アジアにおける交通の要所であり、
また、自由港であることからイギリスの植民地時代から金融や流通の要所でもある。
さらに様々な文化が交わることから、中華文化圏のみならずアジア地域でも
有数の文化発信地となっている都市である。
 その海を臨むパノラマに無数の超高層ビルが立ち並び、
世界中の観光客が訪れる香港島の一角、
灣仔區大坑道(タイハンロード)の料理店に、ジョセフ達はいた。
「ですが」
 目の前に置かれた陶器の茶碗にジャスミンティーを注ぎながら、
花京院が口を開く。
「100日以内にDIOを斃さなければ、
ホリィさんの命が危ないコトは、前にいいましたね……」
 その言葉に、周囲の空気が一気に重くなる。
「……」
「……」
 沈鬱な雰囲気で押し黙る、秀麗なる淑女の父親と息子。
 そして。
「アノ飛行機なら、もう今頃はエジプトに着いてたはずなのに……!」
 言っても仕方のない事ではあるが、
少女が歯噛みするように悔恨を滲ます。
 その少女の姿を認め、そして周囲の者達も宥めるように、
ジョセフはやがて穏やかな声で口を開く。
「わかっている。だが案ずるのはまだ早い……
今から100年前に書かれたジュールベルヌの小説では、
80日間で世界を一周、4万キロを旅する話がある
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