暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第238話 秘密
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を膨らませるユウキが実に対照的だった。

 それだけで十分だった。

 天真爛漫なお転婆娘のユウキに、御淑やかで才色兼備なしっかり者のラン。

 見ていたら、そういう印象を得てしまうから。

「ふふ……」

 リュウキも同様の印象を得たのだろうか、口元に手を充てて、笑っていた。
 それを見たユウキが更に頬を膨らませる。

「ああーーー、リューキまで! 何だか、ひどいやっ!」

 早速呼び捨てでリュウキの名を呼ぶユウキ。
 このメンバーとは、もうあっという間に仲良くなれるだろう、と感じたアスナやレイナだった。



 そしてその後は、我先に、と握手を差し出す他のメンバーたちと固く握手を交わし、新たに注文した大ジョッキでの乾杯が一段落ついた所で、アスナはふと浮かんできた疑問をユウキに向かって口にした。

「そう言えば ユウキさ……、ユウキ達は、デュエルで強い人を探してたんだよね?」
「うん、そうだよー。ほんとは、姉ちゃんと別々で探すつもりだったんだけど、最初の1回目のデュエルで、結構注目されちゃって……」

 てへへへ、と笑うユウキ。

 つまり、2人組の最強コンビ、《剣聖》と《絶剣》の名が広がった今、別々の場所で散開するよりは、それなりに開けたあの孤島で 2人組でする方が効率がより良い、と言う結論に至った様だ。
 
「それならさ? 私たちよりも前に、強い人はいっぱいいたと思うんだけどなぁ……、あ、 リュウキ君は例外だからね? そこの所は宜しくね」
「っ――、って 別に 例外じゃなくて良いだろ」

 アスナの突然の言葉に 思わず変な所に、ドリンクが入ってしまいそうだったが、何とか堪えるリュウキ。食道ではなく、気管の方へと。……最近では 現実感(リアリティ)が更に増してきた様な気がする――、とどことなく感じたのはまた別の話。

「あはははっ、でも 判るよー。だって、リュウキってば、姉ちゃんに勝っちゃうんだからショウガナイってっ!」
「とっても強かったですから。私も判りますよ」
「スリーピング・ナイツ最強のランだしなぁ! あ、次はオレと戦ってくれ!!」

 ユウキがそういった所で、ランやジュンもずいっ、と身体を寄せてきて――、改めて周囲の視線が自分に集まる気がした。……気がする、ではなく、間違いなく向けられていた。何処か癖のある笑みは、何年も苦楽を共にした、友達の様な、笑顔。
 この質のモノは……いつものメンバー達のそれと同種だった。つまり、そこまで打ち解けている、と言う事だろう。

 つい先ほどまで、いろんな質問攻め+褒め言葉、称賛……等々があって、誰もが認める恥ずかしがり屋さんな、リュウキは正直参ってしまっていたのだ。

「ふふっ、あ ほら お姉ちゃん。話、戻そうよ。私もちょ
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