Operation 01
出会い
Mission1「砕けた空」
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向かう一つの軍用機がある。軍用機とはいえ、海軍所属、それも個人所持のものではあるが。
「貴方が向かっている先、サンド島は最前線ながら国立自然保護区です。建造は不可能、精々装備開発ができるくらいでしょう。基本的に、複数の艦娘を所持するのはこの鎮守府の規模的に厳しいので」
最前線基地であるサンド島の説明をしているのは女性。そして説明の対象は男性――――――なのだが、男性は明らかに軍人、しかも提督の年齢とは思えない。更にその男性と女性はこの時が初めて会った、というわけではない。
「……もっとも、大型艦が多くなっても4隻の艦隊しか組めません。環境保護の観点が故らしいです」
女性は説明を付け足す。
「ところで、貴方はこのことをセレンさんから聞いていますか?」
セレンという単語が出る。男性を監視していた存在であり、支えていた存在。又ISAF内で発足された通称「大本営」直属の『中佐』。
「……聞いてはいません」
そう返した男性は窓の外を見上げる。
「堅苦しいなぁ〜」
操縦席の男性はそう呟く。呟くとはいえ、その声の音量は呟くレベルではないのだが。
女性は呆れたように言う。
「主任は真剣な話をしているときでもその受け応えでいいと思うんですね」
女性は操縦席の男性――――――主任に返した。
「キャロり〜ん、こういうときは気楽でいいと思うけどなぁ〜ハハハハハハハッ!」
主任は特に気にせずそのまま返事、というより下品な笑いをする。女性はこれでも元帥ですか……とため息をついて呟いた。もちろん主任には聞こえていない。
「そうでした、キャロりんと呼ばれましたが私の名前はキャロル・ドーリーです。お見知りおきを。ところで、あなたの名前は?」
キャロりんと呼ばれた女性――――――キャロルは彼に正しい名前を伝えておく。もっとも彼は勘違いしないはずだ。あんなに気軽にキャロりんなどと呼ぶのは主任くらいなのだから。
「……広瀬……響(ひろせ きょう)、です」
彼が名前を教えた後、キャロルはそれを書き留め、主任は反応せずそのまま軍用機の中は再び静寂を取り戻す。その中、彼は窓から空を見上げていた。
「この空から、再び降ってくることはあるのかな……」
その呟きは誰にも聞こえなかった。
◇
「今日はユリシーズが降り注いだ日、か……」
『彼』がこれから来るであろうその施設に、一人の女が佇んでいた。むしろ、佇んでいるというよりその施設を回っていた。その女は、その施設の管理者でもあるように見える。
ただ、彼女が作った施設ではない。彼が来るまでの管理者として、女はそこにいる。だが、とても小さい形に今は変わっている。
(この空に再び降り注ぐ日がない
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