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SAO−−鼠と鴉と撫子と
7,弱者の誓い
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ぐこの場を離れなくては。

最後の一本になった短剣を拾い上げたところで、その横に見慣れな形のアイテムが落ちているのを見つけた。
形状は投擲用のナイフに近いが、先端は尖っておらず、寧ろ小さな斧のようになっている。

最後のリトルぺネントのドロップか?いや、それなら俺のストレージにそのまま入るはず。

なら、レイズさんが最後の力でストレージから捨てた遺品ということになる。
なぜーー

「ーークロちゃん、時間がないゾ」

今はそのとおりだ。
深く検討することもなく、俺はそれを自分のストレージにしまいこんだ。
固有名:メリッサ

そんなアイテム名が視えたが気にしている暇はない。
俺たちは始まりの街よりも近いホルンカの街を目指して歩き出した。










ホルンカの街には始まりの街からすれば北西に位置する小さな村だ。
特産といえるような武器も防具もないこの村を多くのプレイヤーたちが訪れるのにはそれ相応のわけがある。
第一層で最強の剣<アニールブレード>を手に入るクエストの開始地点だからだ。
「森の秘薬」と呼ばれるそれは一般的なお使いクエストと大差なく、要はリトルぺネントのレア種からとれる胚珠を持ってくれば、それが剣に交換できるというもの。

三層ではすぐに新しい武器に取り替えるのがベータ時代の共通認識とはいえ、逆を言えば一層・二層ではこれ以上ないほどの戦力となる。
武器の良し悪しが生死を左右する現状ではスタンダードな片手剣士達にとってはここは聖地といっても良いだろう。

デス・ゲーム開始から一ヶ月経った今も、リトルぺネントを討ち取る為、多くのパーティがこの村に滞在していた。

「……しかし、納得出来ない」

この現状はそれを鑑みても余りある暴挙だ。と、さすがに俺は思うのだがどうだろうか?
俺もアルゴも限界だったこともあり、アルゴの隠蔽スキルと索敵スキルをフル活用してモンスターと遭遇することなくやって来ることができた。
その分、直線よりも時間を食ってしまい、夜更けギリギリに到着した俺たち二人と一袋で宿屋を探しにかかった。

アルゴの情報を持ってすれば当然見つかるはずと思っていた宿はなぜか一部屋しか残っておらず、さりとて今から始まりの街に戻るのはあまりにもキケンが大きすぎる。

しょうが無いので、ヤヨイとアルゴを相部屋にして俺は野宿しようとしたが(幸い寝袋はあるし)、アルゴに

「PKの危険があるのに、外で寝るとかクロちゃんは死にたいのカ?」

と一蹴されてしまい、そのまま端っこの方で大人しくしているわけです。

ただ、この状況、−−間違えば命はない。

ヤヨイさんの方は未だにこんこんと眠り続けているがチャンスとばかりに何かしようものなら跳ね起きて首ごとは寝
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