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空気を読まない拳士達が幻想入り
第5話 復讐に燃える男、俺の名を言ってみろ!
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上げられれば何でも良いと判断した結果なのだろう。
 二人はそれぞれシュレンだった炭の両手と思わしき部分を掴み、クレーンゲームの要領で湖で溺れている変な奴に引っ掛けてそのまま陸地へと持って行く。

「だ・・・だずがっだ・・・げふぅっ!!」

 陸地へと降り立った変な奴はそのまま力なく地面に倒れ込む。どうやら相当体力を消耗したが故に立ち上がる気力すら失ってしまったのだろう。

「ねぇ、あんた誰なの? 何で此処で氷漬けになってたの? 何でそんな変な顔してんの?」
「い・・・一度にそんなに質問してんじゃねぇ・・・そ、それよりも・・・俺の方こそ・・・お前らに・・・質問させろ・・・」
「何? 最強のあたいが何でも答えてあげちゃうよ!!!」

 一々最強を自負するチルノが変な奴の質問に応じるつもりらしい。まぁ、こいつが答えたらどんな回答も珍回答へと早変わりしそうだが。

「んで、何が聞きたいのさ?」
「ぜぇ、ぜぇ・・・ちょ、ちょっと待ってろよ・・・」

 深呼吸を数回し、息を整えてようやく立てるようになった変な奴は、体に付いた埃を数回叩き落とした後、羽織っていたジャケットを両手でつかみ、胸元を強調しながらチルノに尋ねだした。

「お前ら! 俺の名を言ってみろ!!」

 最早お約束とも言うべき名台詞をこの場で大っぴらに言い放った。本来ならば其処でモブキャラたちは震えあがり尻もちをつきながら回答に応じるのであろうが、生憎此処幻想郷では世紀末の常識が通用する筈がなく―――

「あんたの名前なんか知らないよ!!!」
「私も、初めて会う人の名前は分かりませんよ」
「え? あ・・・そう・・・なんだ・・・うん」

 流石にそうもあっさりと答えられた為か返答に困ってしまう変な人。外見も変な人なら言動や行いも相当変な人と言えた。

「えっとさぁ・・・この胸の七つの傷とかに見覚えとかない? それにさぁ、この青いジャケットやジーンズとかにさぁ?」
「それがどうしたのさぁ?」
「ほら、あれだよ! 指先一つでどんな奴でもボンボンやっつけちゃう無敵の暗殺拳の使い手で世紀末の救世主とか言われてるさぁ」
「益々わかんないよ!!!! 結局あんた誰なのさぁ」
「いや、ふつうここまで言えば大抵の人は気付くんだけどなぁ―――」

 一体何がしたいのか。必死に自分の名前を呼ばせようとあれよこれよとヒントらしき物を言ってくるのだが、そのことごとくがチルノには理解されないらしく、首を傾げるばかりであった。
 これでは一向に話が進みそうにない。今回のお話はこれでお開きになってしまうのだろうか。

「そう言えば、この前に文々丸新聞の見出しで見た気がする!」
「それって、例のゴシップ新聞の事だよねぇ大ちゃん!!」
「うん、何でも空を飛んでた魔理沙
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