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=入試編= ヘルプセレクト
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が、見えない相手ともなると一休さんクラスのトンチを利かせないと救出は困難だ。
 と、次の瞬間に俺の眼に「運命」が投影された。



 映ったのは数人の大人と、残骸の隙間にある血溜まり。
 生々しくも人を象ったように広がる朱色を前に、大人たちは沈痛な面持ちで、拳を握り締めている。

『――まさか透明になる個性のせいで気づかれずにロボットに踏みつぶされるとはな……』
『別のロボットの残骸の下敷きになって身動きが取れなかったようだ』
『まったく、全身複雑骨折で済んで運が良かったが、もう彼女にヒーロー活動は無理だな。後遺症が残る』
『葉隠透――惜しい人材を失った。これはヒーロー界の損失だよ』

 その手には、どう見て誰も映っていないように見える写真の張られた履歴書があった。



 俺は、錆びたロボットのようにギギギと首を回して未来視に映った残骸と同じものを探した。
 とてつもなく、嫌な予感がした。俺の予感は「運命」など垣間見なくともよく当たる。

「助けて〜〜〜〜!!ちょっ、マジでシャレになんないってアレ!!くぅぅ〜〜まさか透明だから誰も気づいてない系なの!?なんという殺生!?」

 そこに、不自然に空いた残骸の隙間からパタパタ動くフライング手袋を発見した。
 ………どう見ても葉隠ちゃんです本当にありがとうございました。

「マジかぁぁぁぁぁああああああああああッ!?」

 俺は、ロボットが接近していることも残り時間のことも完全に頭から飛んで彼女のもとに駆け出した。

 マジでキミ何やってんの!?いや、実質的にA組で体力テスト実質最下位近かったのは知ってるけど、なぜに入試のこんなところで盛大に躓いて再起不能の運命抱え込んでるの!?というかあの入試ロボ、切島たちの「俺じゃなかったら死んでたぞ!」はガチだったんだな!?ギャグじゃないんだな!?いくらリカバリーガールがいるからって雄英無茶しすぎだろ!!

 というかこれ、もしかして助けに行った俺も二次被害で死ぬ可能性ある?

 いやいやいや待て待て、葉隠ちゃんといえばA組の立派な生徒。しかも、未来を見るにここで彼女を助けそこなうともれなくこの物語から葉隠ちゃん退場の危機である。原作だとまだ出番の少ない人だがこれから何か重要な役目を果たすのは確定的に明らかなわで、ここで潰えるのはどう考えても駄目だろう。

 結局のところ、今ここで気づいた俺が助けるしかない。
 気づいてて逃げるという選択肢も俺には無理だ。
 俺は結局のところ、この世界で必死に生きてる連中が大好きでたまらないんだから――1人だってリタイアさせたくない!!今こそ迸れ俺の転生式エゴイズムよ!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
「ヌオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
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