第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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等は、その全てが 『生まれついてのスタンド能力者』
云わば神に選ばれしスタンドのエリート。
貴様が今まで倒してきた「スタンド使い擬き」とはその格が天と地ほども違うのだ』
「……ッ!」
想定していなかった事実に対する驚き、
しかしソレに対する気丈な反抗心を瞳に宿らせて、少女は奇虫を睨み返す。
(どこだ……?どこにいる……!?)
スタンド、 『灰 の 塔』 が傲然とした態度と口調で
少女にそう語り続けているその間にも、ジョセフは言葉を耳に留めながら
己の周囲に警戒心を張り巡らせていた。
(アレだけのスピード、そして精密動作性。
スタンドのタイプは間違いなく 『近距離パワー型』
ソレを操っている 「本体」 は間違いなくワシらのすぐ近くにいる!
この周囲の乗客の中にきっとッ!)
周囲の乗客はその殆どが浅い眠りに就いているが、
ソレでも寝息やほんの些細な仕草から 「不自然さ」 を発見しようと
ジョセフはその長年の戦いの年季で培われた神経を研ぎ澄ます。
しかしそんな彼の行動を嘲笑うように。
「例えば……“このようになぁッッ!!” 」
瞬きよりも短い時間、まるで空間と空間とを飛び越えるように
スタンド、 『灰 の 塔』 は
承太郎達の眼前に灰色の残像を遺し、ソコから遙か遠方の後部座席へと移動する。
(!!)
「また移動したッッ!!」
承太郎が瞬間移動したスタンドに視線を向けるのとシャナが声を上げて
ソレを指差したのはほぼ同時。
だが、その一秒後。
『ククククク……』
後方の悪意の塊の接近に気づかず安らかな眠りに落ちている乗客に向け、
奇虫のスタンド 『灰 の 塔』 は、
『KEEEEEEEEEEEEEEEEAEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEE――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!』
普通の人間には決して聴こえない、磨き込まれた硝子の板を
鉤爪で掻き毟るような奇声を上げ音速で突っ込んだ。
ズァッッッッッギュアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――!!!!!!!!!!
刹那の間もなく一列20シート以上の最後部から突貫した蟲型スタンドは、
一秒もかからずに最前列に座る若い男性の口中から出現し、
その節くれ立った硬質な全身に鮮血を纏い空間に赤い弧を描きながら上方へと翔け昇る。
シートごと肉を抉り、後方の頭蓋骨が穿たれた音が耳に入ったのは、
“その遙か後”
(!)
(!?)
(!!)
(…!)
(ッ!)
何も出来ず止めるコトも叶わず、遠間にスタンドを見つめる5人は
その存在を認識するだけ精一杯だった。
その5名の視
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