第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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ドの光が集束していく。
その彼の視線に気づいているのかいないのか、
翡翠の奏者は先刻以上の清廉なる声で、己がスタンドの
流法名を高々と発する。
「エメラルド・スプラッシュッッッッッ!!!!!」
再び光が眼前で弾け、遍く翡翠の結晶光弾が煌めきの洪水共に
『灰 の 塔』 へと向かっていく。
『クハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!
バカの一つ覚えのように再び “エメラルド・スプラッシュ” とは!!
最早万策尽きたようだなッッ!! ならば死ねィ!! 花京院ッッ!!』
奇虫はそう叫んで再び先刻の場面をトレースするように、
空間にジグザグのスタンド光跡を遺して光弾の海を躱す。
(!!)
そして花京院の端麗な風貌の前に姿を現した奇虫は、
そのおぞましき外貌を剥き出しにし躙り寄るようにして叫ぶ。
『オレのスタンドに舌を引き千切られると狂い悶えるンだぞ!!
クハハハハハハハハハハハハハハ!! 苦しみでなァ!!
貴様のその美しい貌が苦悶で一体どのように醜く歪むか!?
今から愉しみだぞッッ!!
ファァァァァァァァハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!』
そう叫びながら己自身が殺戮の快楽で身悶える蟲型スタンド、
『灰 の 塔』
「むう。やはり “アノ業” は躱されたか」
少女の代わりに眼前の死闘をその漆黒の珠に映していた紅世の王が、
一切の起伏もない荘厳な声でそう言った。
『くたばれ!! 花京院ンンンンッッッッ!!!!』
狂声を発しながら、花京院の女性のように艶めいた口唇に射出される
悪意の棘、“塔 針”
しかし。
“ソレよりも前に” 既に花京院の口唇は動き、声を発していた。
「何?引き千切られると、狂い悶える?」
その刹那。
奇虫の頭上から撓るように降りかかる、
まるで深緑の樹木を想わせるような、無数のスタンドの触手の群。
『何ッ!?』
自分の死角からの予期せぬ深緑の襲来に、奇虫のスタンド、
『灰 の 塔』 はその超スピードを以て
束になったスタンドの触手の群の微かな隙間を、なんとかかいくぐって躱す。
しかし。
その第一陣、続く第二陣、第三陣を躱しても、既に “結界” は十重二十重。
幾ら避けても深緑の触手群は、まるで意志を持った森の牙のように
際限なく次々と湧き出て頭上から降り注ぐ。
死に体だと想っていた者の、突如の叛逆。
その深緑の色彩が司るモノは、正に樹海の異図。
「グエッ!?」
やがて眼前、否、己の周囲全域を細い深緑の触手で取り巻かれ
回避空間を失った蟲型スタンド 『|灰 の 塔《
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