第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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えを執る。
その両者の対峙を灼けつくような瞳に映しながら、
少女はその外見からは想像もつかない鋭敏な頭脳で状況の分析にかかる。
(正直、花京院に 「勝ち目」 は無い。それはあいつが弱いからとかじゃなくて、
戦闘の 「相性」 が悪過ぎる。スタープラチナにも私にも遙かに劣る
あのスピードじゃ……間違いなくアノ 『幽波紋』 の餌食になるッ!)
その少女の懸念を余所に、花京院は眼前のスタンド戦の火蓋を切る。
「エメラルド……ッ!」
犀利な声でそう呟くと同時に、スタンド、
『法 皇 の 緑』の掌中で深い緑色の液体が
瞬時に浮き上がり、そしてうねるように攪拌され集束していく。
そし、て
「スプラッシュッッッッッ!!!!!」
やがて硬質な翡翠の「結晶」と化したスタンドパワーは、眩い輝きを以て一斉に弾ける。
「フッ……」
眼前から迫る無数の翡翠徹光弾の嵐を前に、
奇虫のスタンド 『灰 の 塔』 は微塵の焦りもなく
ソレを見据える。
そしてその光弾の最初の一つが微かに大形に伸びた顎に触れた瞬間。
『KEEEEEEEEEEEEAEEEEEEEEEEEEEEEEEE
EEEEEE―――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!』
他の者には聴こえない空間の罅割れるような奇声を発し、
ブレる残像と共にソコから消え去る。
そしてそのまま一切のバランスを崩さず攻撃照準は標的にピタリと位置したまま、
凄まじい音速でフレキシブルに機動き、
まるで光の反射のような直線の軌跡を空間に描いて
放たれた華麗なる流法 “エメラルド・スプラッシュ”の結晶光騨スベテを完全回避する。
(!!)
己の懸念が現実のモノとなった事に、少女はその紅い双眸を一際大きく見開く。
(やっぱりあのスピードに躱された……! このままじゃ……ッ!)
輝く翡翠光弾の群れが背後に翔け抜け消えた刹那、
ソレを躱したスタンドも即座に反撃へ移る。
「喰らえィ!! “塔 針ッッ!!”」
再び奇虫の口腔から撃ち出された悪魔の触針が
花京院のスタンド、 『法 皇 の 緑』 の致命点へと襲いかかる。
“スタンドへのダメージは、そのまま 「本体」 へと還る”
故にその致命点を完全に突かれれば花京院の絶命は必至。
だが撃ち放たれた “塔 針” とほぼ同時に
身を翻していた 『法 皇 の 緑』 は、
躱す事こそ不可能だったが何とか急所を撃ち抜かせるコトだけは
かろうじて阻止する。
「ぐっ!!」
スタープラチナをも超える音速で伸
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