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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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線が釘付けになっているモノ。
 ソレはスタンド 「本体」 ではなく伸縮自在の鋭利な触針に突き刺さった、
微かに湯気を上げて血に塗れる赤い肉塊。
 その者達を再び嘲笑うように、奇虫のスタンドは針に突き刺した
赤い肉塊をまるで戦利品のようにビラビラと見せつけ
残虐に陶酔した狂暴な声を上げる。
塔 針(タワー・ニードル)!!” 「舌」 を引き千切ったッッ!!
そしてオレの 「目的」 は!!!!』
 そう叫び高速で大きく旋回した蟲型スタンドは、
長い触針の間に連ねられた無数の人間の舌を機内の壁面に擦り付け
何度も軌道を変えながら鮮血を塗りたくる。
 その後に遺された赤い痕跡が示すモノは。




Massacre(皆殺し)!”




 赤い雫が生々しく滴り、スペルの 「M」 の部分が猟奇的に跳ね上がった、
殺戮の血のオブジェ。
「ヤロウッッ!!」
「このォッッ!!」
 己の能力(チカラ)をただ誇示する為 “だけに”
罪の無い何十人もの人間の生命を奪ったスタンドに、
怒髪天を衝く勢いで承太郎とシャナが同時に猛る。 
「さっきのは全力じゃなかった……今度こそ全開のラッシュでブッ潰すッッ!!」
「跡形も無く焼き尽くしてやるッッ!! フレイムヘイズの焔儀で!!」
 片やスタンドの全身から白金の燐光を迸らせ、
片や右手に炎を不可思議な紋字と共に纏わせながら、
『スタンド使い』 の青年と “フレイムヘイズ” の少女は
同時に殺戮のスタンド、 『灰 の 塔(タワー・オブ・グレー)』 へと挑みかかる。
 そこに。
「待てッ! 待つんだ!! 空条!! シャナ!!」
 花京院が清廉な声で猛る両者を制する。
 その翡翠の美男子が視線を向けた先。
「う、う〜ん、今、何時じゃ?なんだか、騒がしいのぉ〜」
 簡素な服を着た初老の男性が、寝惚け眼を擦りながら身を起こそうとしていた。
「……」
 瞬時に老人の傍へと移動していた花京院が、
その首筋に完璧な角度とタイミングで当て身の手刀を入れる。
「失礼……」
 意識を断たれ再び深い眠りへと落ちていった老人の身体を丁重に支え、
リクライニング・シートにゆっくりと伏せた花京院はそのまま
承太郎とシャナへと向き直る。
「今はまだ大丈夫だが、他の乗客が気づくのは時間の問題でしょう。
そうなったらパニック状態になるのは必至、その前にヤツを倒さなければなりません」
 冷然とした口調で端的にそう告げながら、花京院は二人の傍へと歩み寄る。
「シャナ、君の炎はソレがエンジンにでも引火すればこの旅客機を爆発させかねないし、
空条、君のパワーも機体壁に大穴を開けでもしたら大惨事だ」
「……」
「……」
 あくまで冷静な花京院の忠告に、
承太郎とシ
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