第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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う優れモノだ」
胸の前でその年齢には似つかわしくない逞しい腕を組みながら、
ジョセフはまるで自分が開発したかのように尊大な態度で言う。
「ソレはスゴイけど、でも、 “封絶” の中じゃ役に立たないでしょ?コレ」
承太郎と同じようにスマホを手にし、
慣れない手つきでボディをタッチしていたシャナがジョセフに問う。
「“その点” も心配はいらん。
実はSPW財団超常特務機関では
石仮面、波紋、スタンドと平行としてシャナ、
永年君の追ってきた “紅世の徒” に対する研究も進んでおってな。
調査に赴いた 『スタンド使い』 を通して既に
何人かの「協力者」を得るまでになっている。
彼等の協力で通常の科学技術の外に在る理念を盛り込むコトに拠り、
“封絶” の中でも使用するのが可能となったのじゃ」
「――!」
ジョセフの想わぬ発言に、少女は想わず息を呑む。
「財団に、 “フレイムヘイズ” がいるの?
しかも研究員の人達に協力してるって。
ソレじゃ、一種の 「宝具」 ね。コレ」
そう言って少女は、自分の手の中にある真新しいスマホを注視する。
“紅世の宝具” は、紅世の徒同士は勿論だが、
人間との協力に拠っても産み出されるコトが確認されている。
自分の愛刀、渦巻く紅蓮の討滅刃 “贄殿遮那” もその一種だ。
それとは少しケースが違うが、この携帯電話はその再現と言っていいだろう。
現代に於ける最先端の情報機器に、
紅世の徒のチカラが使われているのは少し妙なカンジではあるが。
「まぁよーするに、とんでもなく頑丈で
フーゼツの中でも使えるケータイってこったろ。
小難しい御託はどーでもいいぜ」
スマホの詳細には興味が無いらしく、
無頼の貴公子は腕を後ろに組んで
革張りのソファーに背を預ける。
「……」
思慮深くみえて、実は結構大雑把でぶっきらぼうな所がある実孫を
ジョセフは仏頂面で見据える。
携帯電話と言えば、若者が最も好奇心をそそられるモノの一つの筈。
なのにこの孫はソレに関心がないらしい。
遠く離れていてもコレならいつでも会話が出来るというので、
操作方法を夜の目も見ずに必死で覚えたというのに。
“このような旅” でもなければ、
自分に一生孫から電話はかかってこないかもしれない、
という空恐ろしいコトをジョセフは想い描き即座に打ち消した。
「さて、それぞれ色は違うが中の機能は全て一緒じゃ。
そこで問題はどの 「色」 を選ぶかというところだが、
まぁ、ここは公平にジャンケンで」
気を取り直し笑顔でそう言って目の前の若者達に握ったグーを差し向けた
ジョセフの視線の先で、
「オレはコレにしとくか」
「じゃあ私はコレね」
「ボクは、やっぱりコレかな」
彼等はジョセフの
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