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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その3 友達や部下の心情把握は重要です。
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* * * *

 悄然と通信を切ったミュラーが通信室を出ると、思いがけない人物とぶつかった。

「ミュラー、どうした?元気がないではないか」

 ぎょっとしたミュラーが顔を上げると、そこにはラインハルトとキルヒアイスが一人の女性と一緒に立っていた。プラチナブロンドの髪を後ろでまとめた美しい顔立ちの女性は言うまでもなく、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトだった。バーベッヒ侯爵討伐でミュラーと既に旧知の中である。

「ああ、いえ、その、別に何でもありませんが・・・・」
「そうか?どうも顔色が悪い様子だが・・・もしも体調が悪いのなら無理をすることはない。早退して差し支えないぞ」

 自分はそんなにも悪い顔色をしていただろうか。そう思ったミュラーは努めて気分を明るくさせようと、

「いえ、大丈夫です。ご心配をおかけし、申し訳ありません」
「そうか、ならばいいのだが。いや、実は卿を探していたのだ。イルーナ姉上が卿に渡したいものがあると言っておられてな」

 ラインハルトはイルーナを見た。

「私を、ですか?」
「ええ」

 イルーナ・フォン・ヴァンクラフトがかすかに微笑んだ。訳もなくミュラーは顔が赤くなるのを感じていた。美人の異性から渡したいものがあると言われれば、大抵の男の心はさざ波が立つというものである。だが、ミュラーの淡い期待はすぐに裏切られた。

「ごめんなさいね」

 イルーナが微笑を消して軽く頭を下げてきたのである。

「何でしょうか?小官が何か致しましたか?」
「ええ、あなたはフィオーナ・フォン・エリーセルとイゼルローン要塞で話をしていましたね」

 今度はミュラーの顔色が顔面蒼白になった。ミューゼル分艦隊の中ならともかくとして、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトまでが知っている。アントンとギュンターは帝都オーディンにまで噂を広めまくっていたのか!?奴ら一体誰にまで話したんだ?!もしかして帝都中の軍人たちがそのことを知っているんじゃないか・・・・。
 そのことを改めて認識せざるを得なかった。もう駄目だ・・・俺はもうおしまいだ・・・・。今に大量の暗殺者どもが押し寄せてくるだろう・・・。いっそ軍をやめて故郷に帰るか――。

「フィオーナ・フォン・エリーセルは私の教え子なのです」

もし、鏡があったら、ミュラーの何とも言えない唖然とした顔を映し出していただろう。目の前の砂色の髪をした青年の呆然面がおかしかったのか、ラインハルトたちが笑い出した。

「そうなのだ、そして、フロイレイン・フィオーナからイルーナ姉上に小包が届いてな。そのためにここにこられたのだ。卿にはきっと見覚えのあるものではないかと思うぞ」

 途端にミュラーの脳裏に雷鳴のごとく浮かび上がった品物がある。

「私がそ
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