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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その3 友達や部下の心情把握は重要です。
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同盟軍には勝てなかったのか・・・。何とも痛ましい限りであるが、一部の者が話しているように、あの華やかな戦死ぶりは元帥ならではの最期であった。死に場所を選ぶとしたらあの元帥閣下ならああいう場所をお選びになるのではないだろうか。死というものはどうも忌まわしいものだという感触でしかないが、同じ死ぬのであれば攻めてそう言った場所で死にたいものだ。
 何故、死という言葉が出てくるかと言えば、これはビリデルリング元帥のせいばかりではない。私自身が死にかけたのだ。
 最初は従卒が持ってきたコーヒーに異物が混入されており、二度目はベッドの中にガビョウが仕込んであった。三度目は訓練施設で射撃の演習中に背後からブラスターの閃光が飛んできた。どう見ても三度目は冗談では済まされないレベルだろう。ミューゼル少将とキルヒアイス少佐がかばってくださらなかったら、私はどうなっていたかわからない。
 いつからかはっきりしないが、その原因は想像がつく。どうもイゼルローン要塞でフロイレイン・フィオーナと会話をして以来狙われているようなのだ。
 馬鹿な!!たった一度楽しく語らったからと言って、それをあたかも恋人のごとく扱うというのはどういうつもりなのだ!!世の中にはこれほどの嫉妬があふれているというのか!!散々嘆き悲しんでも暗闇に隠れた嫉妬深い「暗殺者」どもは姿を現さない。
 どうも気が滅入って仕方がない。そんな愚痴を久しぶりに通信室で僚友たちに話すと、皆が笑った。他でもないアントン・フェルナー、そしてギュンター・キスリングだ。

『そうかそうか。お前もオスカー・フォン・ロイエンタール中佐のように狙われるような色男になったか。良かったじゃないか』

 どうもアントンの場合には言うこと成すことが冗談のように聞こえない。

「良くはない。もう少しで死ぬところだったのだぞ」
『アントン、少しはナイトハルトのことを心配してやれ』

 ギュンターがたしなめた。

「いいんだ。元々俺などには似合わない人だと思っていた。それを分不相応に話などしたから、こういうことになったのだ」
『ナイトハルト!』
『お前――!』

 僚友たちが口々に声を上げるのを、力なく両掌を上げて制した。僚友たちと話せば少しは気が楽になるかと思ったが、自分の不甲斐なさだけがさらされてしまう気がしてならない。アントン、ギュンターには何の罪もない。悪いのは自分なのだ。

「もう、いいんだ。卿らには埒もないことを言ったな。すまなかった」

 そうだ、元々俺がフロイレイン・フィオーナと出会わなければ、こういうことにならなかったのだ。しかし情けないぞ、ナイトハルト・ミュラー。こう気が滅入っていては、軍務に支障が出るではないか。なんとかしなければ・・・・。だが、どうやって・・・。






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