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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その3 友達や部下の心情把握は重要です。
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おやっと耳を会話に戻した。カロリーネ皇女殿下の声音が少し変わったようだ。

『あなたが無事で・・・・』

 何とも言いようのない気持ちになった。表現しづらい感覚だ。それが何なのかわからない、いや、まだわかりたくはない。でも、少しだけ嬉しかった。

「そちらの近況はどうですか?この3月で卒業でしょう?」

 俺は話題を変えた。カロリーネ皇女殿下がちょっとふくれっ面をしたような気がした。暖簾に腕押しだと思われたかもしれない。まぁ、いいだろう。

『苦労したわよ〜。何しろこっちは年下扱いだもの。それを必死に頑張って戦闘技術を身につけて、大会で入賞するくらいの力をやっとつけて、何とかなめられずにここまで来たわ。でも、前線に出たら、またフィルターで見られるんだろうけれどね』
「いっそローゼンリッターにでも入隊しますか?」

 冗談めかして言った俺の顔をカロリーネ皇女殿下がビンタせんばかりに拳を突きつけてきた。

『冗談でしょ!?あんなむさっ苦しいところに入れって言うの!?あんた私を何だと思ってんの!?』
「20ウン歳のOLじゃなかったでしたっけ?」
『このバカ者』

 拳が目いっぱい画面に広がって、ディスプレイがコツンという音を発した。

「帰ってきたら覚悟しなさいよ。せっかくファーレンハイトやシュタインメッツと一緒にパーティーやろうって話をしてたのに。やめちゃおっかなぁ」

 どうもここいらが潮時らしい。俺が慌てた様に謝ると、カロリーネ皇女殿下がくすっと笑って、許してくれた。なんだかんだ言ってもこの人は素直だ。そういう人と知り合いになれ、ずっとやってこれたのは本当に良かったと思う。それにしても・・・・。

 ファーレンハイト、シュタインメッツか・・・・。これまで俺たちを見守ってきてもらったが、せっかくの才能があたら無駄になってしまっている。現在は二人は大佐待遇で無任所の身だ。幾度か宇宙艦隊第八艦隊に「陣借」して帝国軍と小競り合いをしてそこそこの戦果を上げたと聞いている。現に、今回のヴァンフリート星域会戦でも二人は第八艦隊にいるはずだ。どうなんだろうな、少し前まで肩を並べて戦っていた同胞を相手に殺し合いをするのは。

 確かに、俺たちと一緒に同盟軍として宇宙艦隊に乗り組んでもらえれば、心強い。最終的に同盟軍の諸提督の一翼として一個艦隊を率いてもらえれば、原作とは違い、同盟軍は格段に増強されることになる。

 だが――。

 それではファーレンハイト、シュタインメッツがラインハルト陣営と戦うことになってしまう。正直なところ、俺がそれが嫌だった。自分で自分の首を絞めるとわかっていてもだ。いっそ二人を返すか・・・。だが、二人がそれを望むだろうか。カロリーネ皇女殿下がそれを望まれるだろうか・・・。

「カロリー
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