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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その3 友達や部下の心情把握は重要です。
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て言うべきところは言う、その姿勢は評価できる』
『しかし――』
『参謀長、貴官は軍隊を何と思っているか?』
『は――?』
『まさかとは思うが、上官の指令は絶対であり、上官の意見を求められないうちに発言することはご法度、などと思っているわけではあるまいな?』
『・・・・・・』
ロボスは参謀長から俺に、俺から皆にぐるりと太った体を向けながらじろじろと視線を向けていた。
『平素はその通りだ。組織というものはそうでなくてはならん。ただし、戦場に置いて究極的な状況下にあっては、そのような姿勢は時として弊害を生むことになる。もしもこの若造が儂に意見しなかったら、全軍は崩壊し、もっと多大な犠牲が出たところだった。いや、下手をすれば全滅という事もありえただろう』
ロボスは嘆息した。
『そうなれば責任問題はどうなるか?ひとえに総司令官個人の責任か?違うだろう。組織論を振りかざすのであれば、ヴァンフリート星域に展開した全軍の責任問題になる。正確に言えば手足(兵卒)には責任はないが、頭脳(司令官)とそれを補佐する器官(参謀)の責任と言ったところだな』
皆が黙ってしまった。俺は意外な面持ちだった。ロボスは原作では無策、無為、無能の代名詞だと思っていたし、先ほどの戦闘を見てもそのように感じられる場面がしばしばあった。ところが、今皆に向かって話している姿はとても半ボケした老人とは思えない。一体どういうことだろう?
考え込んでしまった俺をよそに、話はどんどん進んでいく。結局、ハイネセンに帰還し次第、辞令が交付され、俺はロボス閣下の副官補佐に任命されることとなると言われたのだった。
しかし・・・・いいのだろうか、ロボスの副官で。アンドリュー・フォークが既に死亡してしまっているとはいえ、どうみても数年以内にロボス派閥は消滅するという予感しかしないのだが。
『ちょっと見直しちゃった』
カロリーネ皇女殿下の声で、俺は我に返った。
『あなたって顔色が青っ白くてモヤシみたいな感じだったけれど、そういう胆力もあるんだね』
胆力か、いや、ちょっと違うな。元々俺にはそんなものはない。一皮むけばまだ前世での大学生気分が払しょくできない。人間年を重ねてもなかなか内部の精神的骨格は成長しないんじゃないか。いくつになっても中坊、高坊のような大人もいるし、この現世だってよくそんな非常識な頭で軍隊に入ってきたなと思う奴も周りにたくさんいる。前世でのニュースでも時たまそういう奴らが常軌を逸した行動をすると報じていた。孔子様も言っていたが、人間30にして立つ、40にして惑わず、などというのはあくまでも「礼」に打ち込んだ人間がなしえるコースだ。のほほんと暮らしている者などは一生そのまんまなのだろう。
『でも、良かった』
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