男⇔女
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ん。
・・うーむ。俺は構わないんだがこの様子だと変に視線を集めそうだ。
「女さん。言葉遣い言葉遣い。好きにやっていいからさ」
「あ!・・じゃ、じゃあ、また放課後にな」
少し照れ気味に俺を演じる女さん。これが俺のイケメンフェイスではなく女さんのままだったらどれだけ良かったか・・。
「ふぅ・・」
ともあれ、俺の本番はこれからだ。女さんの教室へと向かう。
「おはようございます」
「あ、女さんおはよー」
「おはようございます」
「おはよう。女さん」
「おはようございます」
教室に入るなり挨拶の嵐。
全ての挨拶に頭を下げ、丁寧に返答する。そして、女さんの席に優雅に座った。
・・昨日、中居さんにバレてはいないだろうが変には思われただろう。だが、中居さんたちは雇われの身だから少しくらいボロが出てもさほど問題はない。
しかし、クラスでは少しでもボロを出すとすぐさま女さんの評価に傷がついてしまう。
おまけに・・
「おはよう!今日はいつもより遅いけどどうしたの?」
「おはよう女さん!昨日のテストはどうだった?」
「女さん!今日、一緒にテストの打ち上げに行かない?」
「え・・えっと」
この人気っぷりだ。
才色兼備のお嬢様。人気にならない方がおかしいが。
「はいはい!みんな今日もご苦労様。女が困ってるから解散する!」
立て続くクラスメイトたちを活発そうな女の子が制し、散らせていく。
かわいいというよりも綺麗やカッコいいという言葉が似合うが頭の上でちょこんと結わかれたポニーテールが実に可愛らしい。
少し男勝りだが女の子としての魅力を十二分に放つ子だ。
「大丈夫?女」
えっと、この子は確か・・
「何か困ったことがあったら女友さんを頼って下さい。きっと力になってくれます」
そうだ。女友さん。女さんの幼馴染だっていう。
「ありがとうございます女友さん」
「・・・・」
「女友さん?」
「あなた・・本当に女?」
「・・?」
え?俺何かヘマした?一発でバレ・・
「なーんてね。冗談よ冗談。いつもと様子が違うからからかっただけよ」
「・・あ、あはは。もう女友さんったら」
「本当、女はからかい甲斐があるわ」
くすくすと笑う女友さん。
「でも本当にいつもと違うわね。なんていうか・・少し男っぽい気が」
・・鋭いなぁこの子。
「そうですか?いつも通りですよ?」
「・・うーん。でも・・」
こちらをじっと見つめ。納得がいかないようで唸っている女友さん。
うーむ。これ以上この話を続けるとボロが出そうだ。どうにかして疑いを晴らさねば・・
キンコンカンコーン
「チャイム鳴ったぞ、席に着けー」
しめた。ホームルームだ。
「女友さんホームルーム始まりますよ?」
「・・そうね」
しぶしぶといった様子で自分の机に向かう女友
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