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男⇔女
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。美味しそうに食べる姿、可愛らしかったですよ」
・・子供扱いされてるようで恥ずかしいな。
「ぎ、議員さんはまだお若いのに出馬なさるんですよね?」
このまま話をするのは恥ずかしいので強引に話を変えようと試みる。
「女さんに若いと言われると何とも言えませんね」
が、またも笑われてしまう。
くそう。議員さん大人すぎだろ。なに話しても綺麗に返されそうだ。
「まあそれでも、比例代表の末席にすぎないので当選するとは思いませんけんけどね」
・・比例代表ってのはよく分からないけど議員さんが当選する確率は低いようだ。
「大体、若手だからとバカにして足を引っ張ってくるバカが・・・・すみません今のは忘れてください」
しまったといった顔で口を押さえる議員さん。
うーむ。エリートにはエリートの悩みがあるんだな。ちょっと親近感が湧いた。
「・・議員さんは頑張っていると思います」
月並みになるだろうが苦労してるなら労いの言葉くらいは言っておこう。
「他の人の邪魔や嫌がらせがあっても達成しようと努力を積み重ねるのは並大抵のことではないです。議員さんは・・誇っていいと思います」
・・ちょっとセリフが臭いかな?
少ないボギャブラリーを必死に働かせたセリフだったんだが。
「女さん・・ふふ。ありがとうございます」
子供に向けるような笑顔で感謝される。やっぱ臭かったか。
「・・うん。決めた」
「・・?何をでしょうか?」
「いえ、こちらの話です」
・・ま、喜んでくれたならいいか。
それからも料理を堪能しつつ議員さんのすごさだとか政治家の苦労なんかを聞いていた。
最初はどうなるかと思ったが二人とも優しくて喋り上手だったおかげで最後の方は俺も結構楽しかった。
・・そのせいで時々演技を忘れてしまったが・・まあ、大丈夫だろう。
「本日はありがとうございました。議員のやつも楽しめたと思います」
そして、あっという間にお開きになる。
「それでは女さん。また機会があれば」
「失礼します」
握手を交わし、二人はタクシーに乗り帰っていった。
「・・疲れた」
失敗しないように(何度か失敗したが)演技をしながら初めてのことの連続、精神的に疲れるのは当然だろう。むしろやりきった俺を褒めてほしいくらいだ。明日先生に何か奢らせよう。
よーっし!後は風呂に入って寝る・・だけ・・
「・・風呂・・だと?」
・・特別大きいわけではないがそれでも十分に育った果実。出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいる。女さんと入れ替わってしまったせいか全く興奮しないのが残念なくらいのボディだ。
・・興奮はしない。しないんだが・・裸を見てもいいという理由にはならない。
「しょ、しょうがない。しょうがいない」
このまま寝るには不潔だし汗もかいている。風呂に入る理由としては十分だ。
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