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男⇔女
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か分からないぞ。
「失礼します。お嬢様をお連れしました」
これぞ和の芸術。みたいな庭が一望できる部屋に通される。確か客間とか言うんだったか
「これは女さん。お待ちしておりました」
部屋にいたのはそろそろ定年になりそうなおっさんと二十代くらいの若い男性の二人。
「本日は急な会食になってしまい申し訳ない」
深々と頭を下げる大人二人。その佇まいには品位を感じる。
「本当だよ。なんで来んだよ、さっさと帰れ」
・・とは言わず、笑顔のまま席についた。
しかし、あんな偉そうなおっさんが頭を下げるのか・・女さん家の力はすごいな。
「今日は近くによったのでうちの新人に挨拶をさせておこうかと思いまして」
そういい、おっさんは隣に座る若い兄ちゃんの背中を叩く。
「初めてまして女さん。私、議員と言います。以後、お見知りおきを」
「おと・・女です」
差し伸べられた手を取り握手する。
・・服装、振る舞い、ルックスの全てが優秀。出来る優男の見本のような人物だ。
人生で困ったことなんてほとんどないんだろうなー羨ましい。
「失礼します」
中居さんたちが配膳を持って入室してくる。
・・お刺身に茶碗蒸し。あ、海老の天ぷらもある!どれもこれもうまそうだ。
「「・・・・」」
が、この雰囲気のまま美味しく食べれそうにない。
こういう時は俺から話すべきなのか?いやでも変なこと言ってヘマするわけにも・・
「女さん」
「は、はい!なんでしょうか?」
な、なんだ?何かやっちまったか?やっぱりこっちから話題を・・!
「そんなに緊張しないでください。リラックスリラックス」
人の良さそうな笑みを浮かべ肩を回すおっさん。
「今日は難しい話をするつもりはありません。一緒に食事をしながら他愛ないのない会話をして少しでもお互いのことが知れればというだけです」
難しい話は今度お父さまがいらっしゃる時にね。と諭された。
・・女さんに権利がどうの賄賂がどうのなんて話ではないようだ。
「ささ、頂きましょう。折角の料理が冷めてしまう」
俺の緊張をほぐすために積極的に行動を促してくれる。
・・このおっさんいい人だ。俺が投票できるようになったら投票しよう。
「「いただきます」」
おっさんの支持を決意しつつ。料理に手をつけ始める。
最初は海老の天ぷらからだな。市販よりも一回り近く大きい天ぷらを口に入れる。
「・・うまい!」
衣はサクサク。海老もプリプリ。今まで食べた天ぷらの中でもダントツで上位だ。
天ぷらを一通り満喫し、他の料理も次々口に掻っ込む。うまいうまい。
「はは。いい食べっぷりですね」
そして、ほお袋を大きくしながら料理を掻っ込む姿を議員さんに笑われてしまう。
「す、すみません」
まずい。腹減ってたからついついがっつき過ぎちまった。
「いえいえ
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