暁 〜小説投稿サイト〜
転生者の珍妙な冒険
この世界で1番、負けられない戦い  ―決着―
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ルギーに吹き飛ばされ、サリナは地を舐めることになる。
その後も、波紋エネルギーによって体が痺れ動かないのか、立ち上がろうとして倒れることを繰り返すサリナ。そんな彼女のもとに、夜集阿が歩み寄る。
「もう諦めろよサリナ。お前は立てんって。」
どこか憐れみすら含まれるその声に、体を震わせながらも睨みつけるサリナ。
「何故、だ・・・・。確実にガードは・・・した・・・。」
「お前の盾が生物素材だったからな。」
事も無げに答え、夜集阿は更に言葉を重ねていく。
「お前の鎧はミスリルか何かで作られた金属鎧だ。それによく似てるから分かりづらいが、盾だけはミスリルリザードだな。大して強く無いが逃げ足と頑丈さが一級品だから、盾にできるほど素材集めるのは高ランクの冒険者でも難しいらしいが、兎も角、ソイツの素材だ。」
「っ!? 何故見抜ける!? 1度も目の前で盾を出したことは無かった!!」
「だって、選手控え室からはお前の背中がよく見えてたもん。必然的に、ずっと背中から抜かれる事のなかった盾は見えるし、素材を考える時間も山ほどあったさ。で、種明かしすると、俺の波紋は生物を流れる。だから生物素材のその盾を流れ、貫通してお前に当たったって訳だ。」
ニッ、と笑ってそう言った夜集阿は、一転して表情を曇らせる。
「さ、話してもらうぞ? 俺を殺そうとした奴は誰で、どこにいる? そもそもこの闘技場では致死の傷は回復するから死なない。それを知らないところを見ると、外部の人間か?」
「甘い、ですね・・・・。」
口元を笑いの形に歪め、言葉を紡ぐサリナ。その目は笑っておらず、かと言って敗北からの絶望感も無く、未だに殺意と闘志が宿っていた。
「『あの方』にかかれば、そんな不殺の魔法、容易く解けますよ・・・・。」
「何? どういう事だ、ソイツは誰なんだよ。」
思わず、といった風に屈んで問いただそうとする夜集阿、それを見てますます笑みを濃くしたサリナは。
「それほどの力を持ったお方、ということですよ・・・・。そして忘れたんですか? 私の魔法は回復系統ですよ?」
「なっ、お前まだ・・・・!!?」
「もう遅い! 聖槍(キュアノスピア)!!」
会話の間に、無詠唱の回復魔法で己の傷を癒したサリナが一瞬のうちに自身の剣での刺突を夜集阿に放つ。
屈んでいた姿勢の夜集阿には避けられるはずもなく、そのまま刃は彼の心臓部へと吸い込まれていった。



「・・・・・・・勝っ・・・・・・た?」



嬉しさはなく、どこか思いつめた表情で勝利を宣言しようとしたサリナの顔が、疑問に染まる。
(・・・・・・おかしい。手応えが無さすぎる・・・・。人体を貫いた感覚が一切ない・・・?)
そして後ろを向いたサリナの表情が、疑問から驚愕へと変貌する。

その視線の先には、夜集阿が立っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ