暁 〜小説投稿サイト〜
雷と鉄と妖と
第一話:鉄の出会い:
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とした少女の腕を掴み、ガジルは呆れたような顔をした。
「お前馬鹿か?その傷で言っても何も出来ねぇぞ」
「でも、私は妹達を救わなくちゃならないんだ・・・」
「・・・そんなら俺が救ってやろうじゃねーか」
「・・・え?」
少女はまたキョトンとした顔でガジルを見つめた。正直、ガジルもこんな事を言ってる訳が自分でわからなかった。
「・・・お前、名前は?」
「え?ス・・・スバル」
「スバル、俺のギルドに来い。そしたら妹も救ってやる」
「・・・」
やはり理解出来ていないようだった。
それもそうだろう。つい先程自分を奴隷として買った人間が、急に自分の妹達を救ってくれると言うのだ。混乱しない者などいないだろう。
それでも、スバルの中に、ガジルに縋る以外の方法はなかった。
「・・・い、いいの、か・・」
「あぁ。ほら、こっち来い」
ガジルに腕を引かれて、スバルはそのまま足を進めて行った。
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