暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic8-Aきっと分かり合えたなら〜Rusylion & Subaru〜
[2/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ルを突き放した後、あたしは逃げるように地下駐車場の方へと向かった。そこで遭ったのが、キャロくらいの小さな女の子。普通なら客の子供で迷子、って思うところだったけど、キャロの“ケリュケイオン”と似た手袋を両手をはめていることで、すぐに魔導師だって気付いた。それに警備員が地面に倒れ伏しているのを見たら、あの子が敵だってことは嫌でも判った。

(あの時、ちゃんとヴィータ副隊長たちに連絡を入れていれば・・・)

あたし1人で確保しようとした結果、アリシアさんがあたしを庇って女の子の砲撃をまともに食らった。壁に叩き付けられるアリシアさん、目を離した数秒の内に完全に姿を晦ました女の子。

(あたしはまた、ミスを犯して・・・今度は怪我人を出してしまった・・・)

すぐにシャマル先生とアイリ医務官を呼んで、アリシアさんを治癒魔法で救ってもらった。そして応急処置を受けたアリシアさんはシャマル先生とアイリ医務官と一緒に一足先に隊舎に搬送されて、あたし達フォワードや八神部隊長たちはホテル・アグスタでの事後処理を終えてから帰って来た。

「アリシアさん・・・」

「いや〜。お恥ずかしいところを見せちゃってごめんね〜」

「いえ・・・」

そして今、あたしはひとり機動六課の隊舎内にある医務室へとやって来た。ベッドのヘッドボードに背中を預けて座っているアリシアさんに話しかけると、そう言って微笑みを浮かべた。そんなアリシアさんは左腕と左足を吊ってる。砲撃の直撃とコンクリートの壁に叩き付けられたことで骨折してしまったからだ。

「アリシアさんは、あたしを怒らないんですか。スバルを誤射しかけたこと、アリシアさんに怪我を負わせたこと・・・」

「わたしの事についてなら気にしないで。可愛い後輩を護るのも先輩の務めだし。誤射についてはすでにヴィータやなのはに怒られて、反省もしてるでしょ? 反省してる子にさらに追い打ちを掛けるのは逆効果」

そんな痛々しい姿ながらもアリシアさんは笑って、あたしを叱ることなく慰めてくれた。アリシアさんの言ってくれた言葉、アリシアさんが搬送されるのを見送った後、なのはさんもそんなことを言ってた。

「スバルへの誤射未遂。今回のことで判ったと思う、焦っちゃうとこんな大変な事になっちゃう、って。それにしても、ティアナはホントにわたしに似てるよね!」

アリシアさんはそう言って声を出して笑った。あたしと同じように仲間との才能の差に劣等感を抱いたり、強くなろうって焦ってたこともあるって聞いたけど、正直笑い事じゃない。あたしはそれに悩んでるんだから。

――ティアナは時々、一生懸命になり過ぎるんだよね――

なのはさんにもそう言われた。でもそのくらいじゃないと、あたしは強くなれない。

「大切な人を誤射するのまで一緒っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ