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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
東馬の過去 始まり編
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段から血生臭い現場にいるからか、血の匂いには敏感になっていると思う。

「何だ?それに肉が焼ける匂いも……」

これはあきらかにおかしいと思い、私は再び公園に入り、気配を探ってみる。

「隠れれる場所って言ったら、あそこだけだよなぁ……」

私が見つめるのは、ドーム型の遊具。その中ならあまり見つからないが……

「ダメ元で行ってみるか……」

心の中で仲間に謝罪しながら、中を覗いでみる。

「誰かい、る…………」

私はそこで予想だにしない光景を見た。

そこには少年がいた。年齢は背丈から見て、おそらく10歳前後だろう。だが、問題は体の方だ。

まず、服がズタズタになっている。何か鋭利な刃物で何度も斬りつけられたのか。その証拠に見える素肌にはいくつもの裂傷が見られる。

靴は履いておらず、足元には血が滴っている。おそらく、裸足で走ったからだろう。

そして、問題は右腕だ。皮膚に焼けた跡があるし、何より腕が曲がってはいけない方向に少しだけ曲がっている。

折れてはいないかもしれないが、恐らく骨に罅が入っているのだろう。

どう見ても、公園に残って遊んでいた子供ではなかった。

「何だい、こりゃぁ……こんなの、普通の子供がしていい怪我じゃないだろう?」

生来、私はお人好しだ。それは周りにも言われてるし、自覚もしている。でも、これはお人好し云々以前に助けないと、人として終わってると思う。

「助けないと……」

私はそう呟き、その子供を背負って、アジトへと帰った。








「おかえりなさい、麻子さ…………どうしたんですか、その子供」

「おお、メリル。ただいま、ちょっとベッド一つ使うぞ」

「はい、構いませんが……ちょ、どうしたんですか、その子供!?傷だらけじゃないですか!?」

「そうだ。そこで悪いんだが、救急箱持ってきてくれ。右腕に至っては折れてるかもしれないから、何か固定できる物も頼む」

「わかりました」

メリルに処置に必要な物を頼み、私はベッドまで子供を背負って静かに横たわらせる。

「何だってこんなに夥しい傷がこんな子供に……」

「ボスッ!!」

「子供が傷だらけになっててそれを奪ってきたってホントっすか!?」

「ふんっ!!」

「「ぶげらっ!?」」

双覇は別に構わんが……。

「おい、東吾(とうご)、奪うってどういう事だ?お前、また悪い癖で変な想像をしたな?」

「な、なんでそんな事で殴られないといけないんっすか!?」

「というか、なんで俺まで殴られたんだ!?俺別に関係ないだろ!?」

「黙れ。お前ら、この子の傷に響いたらどうする」

((自分が一番声が大きいのに……))


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