第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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ト・グリーンは重ね合わせた両掌中に
同じく翡翠に輝くスタンドパワーを集め、うねるような高速廻転流動の許
一極に凝集、攪拌させていく。
「――――――ッッ!!」
ソレら二つ、進化した 『幽波紋流法』 の初期機動を眼前に、
顔の上半分がレザーキャップで隠れた紅髪の美少女が、
その口元をきつく結び、白く整った歯を軋らせる。
自分はまだ、スタンドの “影” すら見るコトが出来ていないというのに。
でもこの二人はもう、その遙か 「先」 の “領域” にまで達してしまっている。
本来の 「予定」 じゃ、もうとっくに自分の 『幽波紋』 を発現させて、
“アソコ” に自分も一緒に居る筈なのに。
ソノ自在法の遣い方を、 『彼』 と討究するのは “自分” の筈なのに。
そうできないのは、他の誰の所為でもない。
全て、自分の所為。
自分の能力が未熟だから。
自分の研鑚が足りないから。
それ以外の、何モノでもない。
でも。
ズルイ。
ヒドイ。
不公平。
殆ど逆恨みにも等しい、でも今まで感じたコトのない新種の悔しさが、
少女の胸中を埋め尽くしていく。
そんな少女の胸の裡など露知らず、眼前の二人は極限まで撓まったそのスタンドパワーを
それぞれ服の裾を旋風に靡かせながら全開放する。
空間を劈く、異能の閃光。
その中心部で爆裂する、スタンドパワー。
まるで周囲に存在する全てのモノに、己が存在を刻み付けるかのように。
猛り立つ二人のスタンド使い。
そしてその艶めかしい口唇から同調して宣告される、
己が 『幽波紋流法』 の流法名。
新星爆裂そして翠蓮光翔。
流星、聖法の 【新 流 法】
「スタアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
「ェェェェェェェエメラルドオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
幽光捲き奮う両者のスタンド。
そこ、に。
「なァァァァにやってンのよおおおおおぉぉぉぉぉ――――――――!!!!!!!!」
二人の覇気に勝るとも劣らない少女の怒声が、
『流法』 よりも速く爆裂した。
【2】
「……」
「……」
スタンドに流法体勢を執らせたまま、
空条 承太郎と花京院 典明は自分達の側方で歯を食いしばり
目じりに涙をためたまま真っ赤になっている、
黒い洋装を紅で彩った美少女へと向き直る。
その少女の全身から発せられる、
唯ならぬ危うい雰囲気にスタンドの興は完全に殺がれた。
元来の生真面
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