第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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少しも不快な感覚はない。
そこに。
「どうしたの?」
承太郎の全身から発せられていた闘気が微かに揺らいだコトを
敏感に察知した花京院が、琥珀色の澄んだ瞳で問いかける。
その質問に承太郎は答えず、ただ穏やかな、
そして少しだけ優しげな色を帯びた微笑のみで応える。
「……」
それだけで彼の意図を察したのか、
微笑を向けられた翡翠の美奏者も同じような仕草で応じる。
「フッ」
「フフッ」
特に、理由はない。
それでも意味の無い微笑を互いに交わし合う、若き二人のスタンド使い。
荒涼とした破壊空間の中にて交錯する、甘美なる刹那。
その横合いにて、
「……は……しの……のに……!」
一人取り残されたフレイムヘイズの、呻く様な呟きに気づく者は誰もない。
そして。
「さて、今日の仕上げといくか?」
「そう、だね」
再び元の不敵な表情へと戻り、先刻以上に視線を研ぎ澄ませるスタンド使い二人。
即座に足下から噴出する、白金と翡翠の光方陣。
その旋風、否、竜巻のような光の奔流が、
余すコトなく両者の身体とスタンドとを覆い尽くし、駆け昇っていく。
「暴走族のタイマン風に言うならば、
“来な、 どっちが強いか試してみようぜ” というヤツだぜ」
白金の光の中、逆水平に構えた指先で花京院を差す承太郎。
「手加減は、しないよ」
翡翠の光の中、威風堂々と左腕を振り翳す花京院。
「“したら” ブッ飛ぶのはテメーの方だぜ。花京院」
承太郎がそう返す中、
「……!……ッ!」
その胸元で小さな拳を握り、ソレを、否、全身を震わせるシャナ。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
その少女の存在には微塵も気づかず、再び二人のスタンド使いは、
頭上へと立ち昇る光の奔流の中、共に勇壮な鬨の声を挙げる。
今度は、無数の戦闘技ではなく、ソノ 「対象」 を “たった一つ” に絞り、
代わりにその威力を極限まで集束して高め、
スタンド内部に存在の力をギリギリまで撓める。
(ジザイホー入りの “新型・流 星 爆 裂 弾” か……
正直ドンだけ威力が向上ってンのか興味あるぜ……)
(限界までスタンドパワーを高めて撃つ “強化型・エメラルド・スプラッシュ”
正直ドレ程の威力になるのか、奏者であるこのボクにも想像がつかない)
承太郎のスタンド、スタープラチナはその両腕を逆十字状に組んだ
独特の構えで白金のスタンドパワーを右拳に集束させ、
花京院のスタンド、ハイエロファン
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