第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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は、うら冷えた視線で訴えるように
自分の瞳を覗き込んでいる。
そして気まずい雰囲気に陥る二人の前に、救世主が登場。
(!)
前方に位置する茶室の開き戸から、自分の祖父であるジョセフ・ジョースターが
何故か満面の笑みでこちらに手招きをしている。
その人懐っこい笑顔が何となく気に障り、
いつもなら思いっ切り無視する所だが現状が現状なので
承太郎は仕方なくソレに応じる。
「何か用か? ジジイ」
そう言って茶室の方へと向きを変える承太郎に、
花京院も無言で連れ添う。
そして。
「!」
「!?」
馥郁足る香木の薫りで充たされた茶室の中央に、
その 『姿』 は在った。
セーラー服姿の、 シャナ。
先程まで着ていた服は、キレイにたたまれ足下に置いてある。
しかし。
見慣れた筈の少女のその姿が、今日は一際異彩を放って承太郎の瞳には映った。
制服の基本的なデザインは、今までと特に変わってはいない。
が、制服の裾が従来のモノより若干短く、
スカートの布地も機動性を重視して薄くなっているようだ。
でも何よりの違いはその右肩口。
燃え滾るような灼熱の焔をモチーフにした高 十 字 架に、
黄金の鎖が交叉して絡みついた紋 章がセーラー服に刻み込まれている。
まるで、少女の存在の象徴で在るかのように。
承太郎の着ているモノと同じ、SPW財団系列のブランド
『クルセイド』 に特注で造らせた、この世に一着しか存在しないセーラー服。
本来のシンボル的な意味合いは形を潜め、
明らかに戦闘用に特 化された縫製が随所に施してある。
その影響でいつもより二割増しに成った凛々しい様相で、
威風堂々とこちらを見る少女に対し、二人のスタンド使いから出た最初の一言は。
「校則……違反だな……」
「うん……」
「!?」
何故か思いっ切り期待を裏切られた表情で、
少女はその眦 を見開いた後、憤然とした面持ちで承太郎の前に詰め寄る。
「じゃあおまえの “コレ” は何なのよ?」
そう言って他の女生徒には触らせたコトのない学生服の裾を掴み、
少女は無頼の貴公子に詰め寄る。
「オメーは 「不良」 じゃねーだろ」
「ボクはまだ制服が届いてないから」
「うるさいうるさいうるさい!
兎に角、明後日からコレ着ていくから!」
隣で何故か返答する花京院も一緒に、
少女は鋭い一喝で両者の言葉を吹き飛ばす。
「勝手にしろ。風紀のセンコー辺りがうるせーと想うが、話は自分でつけろよ」
「イヤ、そこまでの覚悟は無いんじゃないか?
あの先生も「再起不能」にはなりたくないだろうし」
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