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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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を突かれたような表情で青年に向き直る。
「何にでも “名前” はある。聖書にもそう書いてあるしな。
スタンドは生命の力でその幻 像(ヴィジョン)を現し、精神の力で動く。
だからその 『能力』 に合った “名前” が在るコトに拠って、
自分の思い通りに動かし易くなる筈だ。まっ、オレの経験で言うンだがよ」
 承太郎はそう言いながら細めた流し目で一度、少女の胸元に視線を向ける。
(……)
 今度はペンダントの方が、敢えて青年の視線に気づかないフリ。
 その上で紅髪の少女がやや狼狽した様子で、 青年の問いに詰まる。
(名前……名前……!? どうしよう?
“この子” に相応しい名前……名前……)
 想えば、何かに「名前」をつけた記憶等、殆どない。
 昔、 『天道宮』 でのフレイムヘイズ修業時代、
自分の稽古相手となっていた一人の “徒” を、
その外形からそのまま 「シロ」 と呼んでいたくらいだ。
「……」
 思い悩んで被った黒いキャップから煙でも吹き出しそうなほど考え込む少女に、
青年がやや嘆息気味に助け船を出す。
「何もそう鯱 張(しゃちほこば)って深く考える必要はねーんだよ。
あんまり懲りすぎた名前だと返って操作の時に苦労するぜ。
別に何でも、単純(シンプル)なモンでいーんだ。
好きなミュージシャンの名前でも曲のタイトルでも。
何かねーのかよ?」
「う、うん……でも……」 
 童謡や古典派のクラシック、それと賛美歌くらいしか知らなかった昔とは違い
最近ヒマな時は承太郎の部屋に出入りしているので、
近年の若者向けの楽曲も知らないわけではない。
 でも。
 そのどれもがどうも、 自分の 『自在法(スタンド)』 には
相応しくないような気がする。
 しかし自分の好きな曲の中から何か名付けようにも、
まさか “交響曲第二番・第三楽章・a n d a n t e(アンダンテ) e s p r e s s i v o(エスプレッシーヴォ)
とか名付けるわけにはいかないだろう。
(!!)
 思い悩む少女の脳裡に、 突如舞い降りる天啓。
 そうだ。
 そう、だ。
 この子は、私の “分身”、もう一つの、私の存在。
 この子は私で、私はこの子なんだから。
 だから。
 だから!
「名前、決まったわッ!」
 俯けていた視線を勢いよく上げ、凛とした真紅の双眸で真っ直ぐ少女は彼を見る。
 そして。
 その宝珠のような口唇から。
 高々と己が 『幽波紋(スタンド)』 の真名が宣言される。
「この子の、 名前は……」



紅 の 魔 術 師(マジシャンズ・レッド)
本体名−空条 シャナ
能力−産まれたばかりなのでまだ不明。
破壊力−E スピード−C 射程距離−E
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