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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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まだボヤけていて判断がつきづらい。
 もっと眼を凝らせば……
 否。
 違う、 そうじゃない。
 自分で。
 自分で決めるんだ。
 自己の脳裡に疾走る一迅の直感。
 その一瞬の閃き。
 ソレを信じるんだ。
(!!)
 そう。
“鳥” だ。
“鳥” が、 良い。
 この世の如何なる存在にも縛られず。
 自由に羽根を拡げ紅世の天空を()く。
 焔の鳥。
 ソレが、 私の生命の幻 像(ヴィジョン)
 ソレこそが!
 私の 『幽波紋(スタンド)』 の幻 像(ヴィジョン)!! 
「ハアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!」
 閉じていた双眸を一挙に見開き、抑えていた喊声を挙げる少女。
 限界まで撓め込んで収斂させた存在の力を、
意識の束縛を振り解いて感覚のままに編み上げる。
 後は想像力の赴くままに構成する。
 ソコに、 一片の躊躇も迷いも在ってはならない。
 ただ己の信じるがままに精神を開放し。
 この世の何者にも屈しない。
 新たなる力を創造する!
「来オオオオオオオオオオいィィィィィィィィィ!!!!!!!!」
 見開かれる真紅の灼眼。
 空間に捲き乱れる深紅の炎髪。
 旋風と共に真一文字に振り抜かれた右腕。
 同時に少女の背から鳳凰の翔破の如く一斉に噴き出される、
夥しい量の紅蓮の火飛沫。
 少女がフレイムヘイズで在るというコトを知らない者ならば、
間違いなく彼女が 『スタンド使い』 だと錯覚させるに足る、
凄まじい迄の灼熱の威圧感。
 しか、し。
「やっぱり、 まだダメか……」
 己の背後を見遣り、紅蓮の残火以外は何も無いコトを確認した少女は、
がっくりと生身の膝を砕けた石畳の上つき、残念そうに肩を落とす。
 量の多い艶やかな深紅の髪が、サラサラと首筋を流れ少女の胸元に垂れ下がる。
 しかし少女はすぐにその顔を上げ、自分の真正面に位置する長身の青年を
まっすぐみつめる。
 その真紅の瞳に気高き光を宿し、
いつもよりも遙かに凛々しく美しき容相で。
(……)



 絶対に、 諦めない。
 例え、 今は無理でも。
 出来るように成る迄、 何度でも挑戦すればいいんだよね?
 そうすれば、 いつか、 きっと。
 もっと、 おまえのコトを。



「……」
 無言のまま、真紅の双眸を透してライトグリーンの瞳に訴える
少女の想いに気づいているのかいないのか、無頼の青年はその表情変えず
両手をレザーのズボンにツッこんだまま、
「イヤ、どうやらそーでもねぇようだぜ」
ただ一言、少女にそう告げる。
「え?」
 一瞬何のコトか意味が解らず、(ほう)けたような顔をする少女。
 その脇で、
「正直、驚いたな。まさか “
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