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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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相も変わらず憮然とした表情のまま、言葉を紡ぐ無頼の貴公子。
「確かに、オメーにスタンドの 「才能」 はねぇ。
コレばっかりは生来のモノだからどうしようもねぇ。
だが、 「他のヤり方」 でソレに “近づこうとする” こたぁ可能な筈だ。
例えばオレの “曾祖母(ひいばあ)サン” は 『スタンド使い』 じゃあねぇが、
それでもアノ人に勝てるスタンドってのはチョイ想像がつかねーな。
ソレと同じコトで、オメーの “ジザイホー” も
その 『使い方』 とこれからの訓練次第じゃあ、
スタンドと同じかソレ以上の 『能力(チカラ)』 に引き上げるコトが
可能なんじゃあねーか?
似てはいても “スタンドじゃあねーから” 破壊力(パワー)や射程距離も
「本体」 とは関係ねーだろーしよ」
「……」
 夕日を背景に、件の剣呑な視線で自分に語り続ける彼。
 そうだ。
 そうだった。
 何故。
 何故、そんな簡単なコトに気が付かなかった。
 存在が無いのなら、創り出せばいい。
“その為の” 自在法なのだから。
 過去に戦った、 数多くの紅世の徒。
 最近ではアノ壮麗なる紅世の王 “狩人” フリアグネすらも、
己が願望(ねがい)を具現化する為に禁儀 『都喰らい』 まで
行使しようとしたのだから。
 無論ソレはもし使い方を誤れば、 時に取り返しのつかない
悲劇や惨劇を産み出してしまうモノかもしれない。
 でも。
 要は、使いようだ。
 置いていかれた悔しさと彼への対抗心から、こんな簡単なコトすらも忘れていた。
 そう。
 いつでも「対等」でいたいのなら、想いだけではダメ。
 その願望(ねがい)に見合うだけの、
知性も技巧も尽力も備えなければ。
「……」
 無言のまま己の裡で沁み出る言葉を噛みしめる少女に対し無頼の貴公子は、
「“無限” なんだろ? なら使えよ。可能性が在るンならな」
静かな声でそう告げる。
(ッ!)
 このとき、少女と同じく彼の傍らにいた花京院 典明は、
初めて己の過ちに気がついた。
 自分は、如何にしてこの少女を傷つけず、
彼女に “スタンド能力を諦めさせるか” というコトばかり考えていた。
 少女にスタンド能力は発現しないと、(はな)から決めつけていた。
 しかし。
 この自分の傍らに位置する友人は、 既に “その更に先” のコトまで見据えていた。
 一つの可能性が潰えた時にこそ初めて生まれ出る、新たな可能性のコトを。
 その承太郎を凝視する花京院と時を同じく、
此奴(こやつ)……)
先刻の不承な想いもどこへやら、 少女の胸元で揺れるペンダント、
アラストールもその青年の意外な返答に黙然となっていた。
 自分も、少女すらも諦めかけていた可能性を、
“こ
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