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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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にハッキリとそう宣告する青年に対し、
生来の性格が災いして反射的にソレを否認しようとする少女。
「……」
 しかし最早その余地も気力もなく、失意のままに小さな肩を落とす。
“そんなコト” はもう、誰に言われるでもなく自分が一番解っていた。
 でも。
 知りたくなかった。
 聞きたくなかった。
 少なくとも、この男性(ヒト)からは。
 ウソでも良い。
 アノ人のように、“いつか出来る” と言って欲しかった。
 だって。
 だって……
(……)
 自分は一体、 いつからこんなに “弱く” なったのか?
 幾度も血風にその身を晒され、時に血の海を泳ぐコトになろうとも、
決して怯みはしなかったのに。
 何故、 この眼前に位置する青年の承認が一つ受けられなかった位で、
こうも気持ちが沈むのか?
 思考が答えの出ない堂々巡りに陥り、再び俯く少女。
 その少女の傍らで、
(そんなにハッキリと言わなくても……)
是非なきコトとはいえ、傷心したその少女の様子を不憫に想った花京院が、
(つと)に解りきった事象を兎や角と……)
珍しく不快の色を露わにしたアラストールが共に心中で呟く。
「……」
 沈黙の許、暗く沈んだ空気が周囲に漂いつつ在る中。
 やれやれと無頼の貴公子がいつものように学帽の鍔を摘む。
 その眼前には、同じくレザー・キャップの鍔で表情が伺えない紅の少女。
 無言だが、その態度が暗に自分の諌言を拒絶しているのが視て取れる。
 どうやら、幾つか予想していた事態の中でも
とびきり厄介なモノに自分の予感が的中したようだ。
 ヤるだけヤってみてソレでも不可能なら、
明晰な頭脳を持つこの少女なら潔く諦めると想っていたのは
どうやら大いなる錯覚というヤツだったらしい。
「結果」 が出ていない今、まだ大人しく黙り込んではいるが明日になればきっと、
この少女は同じ内容の訓練を “出来るようになるまで” ヤり続けるだろう。  
 その次の日も。
 その次の次の日も。
 周囲が幾ら諭しても、おそらくこの少女は聞き入れない。
 スタンドが発現するその時まで、この少女はきっと止まらない。
 一体何がこの少女に、ソコまで 『幽波紋(スタンド)』 に対して
執着させるのかは解らないが。
(やれやれ……しょーがねーな……)
 眼前の少女から顔を逸らし、困ったのと面倒なのを半々混ぜっ返したような表情で
無頼の貴公子はその襟足の長い黒髪を学帽越しに掻く。
 まぁこの件は少女に期待を抱かせ、
最初にハッキリと拒絶しなかった自分にも責任が無いワケではない。
 今日は久々に全力でスタンドを動かしたので、
早々に引き上げて何処かで酒でも飲みたかったが
目の前で落胆する少女の(もと)
空条 
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