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衛宮士郎の新たなる道
第7話 純粋なる歪
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に調子を取り戻せば・・・・・・・・・ッッ!!?」
 「如何した!?」

 フィーネはリザの顔を覗き込むように尋ねる。
 それもその筈で、リザは今の一瞬の内に顔――――いや、全身中から冷や汗や悪寒が止まらなくなっている。一言で言えば恐怖に震えていた。

 「何だ、これ・・・?俺・・・・・・こんな気配、知ら、ない。これって・・・・・・“人”・・・・なのか?」

 リザはあまりの恐怖に全身は勿論の事、瞳も震え続けている。
 そんな仲間の態度の異変に察知したフィーネは、急ぎこの家の裏庭入り口からこの家に足を踏み入れた。不法侵入に値するだろうが、今はそんな時では無いと軍人としての勘に従っていた。
 そしてそこで見たモノは・・・・・・。

 「・・・・・・っ!?」
 「ひぃ、あぁっ!ひぃっ、はっ!?」
 『・・・・・・・・・・・・』

 黒い何かが、未知の恐怖により腰を抜かして動けなくなっている男性を見下ろすと言う、異様な光景だった。


 −Interlude−


 「急げシロウ!」
 「分かってる!」

 ほぼ同時刻に士郎とシーマの2人は、流星のように全力で街中を駆けていた。
 理由はスカサハからの報告である。
 久しぶりに来たのだ。サーヴァントらしき反応が、と。
 その真偽を確かめる為、士郎とシーマの2人で反応の在った場所に急行中だ。
 因みにエジソンはいざ何かあった時の為の留守番役だ。
 家を任せて走る、走る。駆ける、駆ける。
 そうして現場に着いた2人は、急ぎ周囲を探索しようとしたところで即座に見つけてしまった。いや、出会ってしまった。それ(・・)に。

 「なっ・・・!」
 「お前は・・・・・・」
 「あ、あぱ、あばぱ・・・ひぃふっ!?」
 『・・・・・・・・・・・・・・・』

 とある民家の裏口にそれ(・・)が男性を見下ろしていたのだ。
 2メートルはゆうに超えるだろう、黒い霧を纏った“何か”が。
 それ(・・)を見たシーマは、刹那の中でどの様な選択が最善かと必死に思考した。
 理由と言えば経験則である。
 相変わらず生前の事はほとんど思い出せないが、目の前のこの“何か”と対峙している今この瞬間に体が思い出しつつあるのだ。
 自分は嘗て、強大な魔に立ち向かった事があるのではないかと。
 そしてその経験則が確かならば、この“何か”は強大な魔とは別種にしてそれ以上の恐るべき存在であると理解出来てしまった。
 一方士郎も同じ刹那の間に居た。
 マスターの恩恵と権利により、目の前の“何か”がサーヴァントである事は間違いないと理解していた――――が、納得はしていなかった。
 ステータスのパラメータ値が解らないが、宝具やスキルなどであればその程度の事は些細な事実だろう
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