35話 サイコミュニケーター 3.10
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プは振り向きラルに問うた。ラルが古参の反応に素直に喜んだ。
「フフフ・・・クランプ。気付いておるだろう?」
クランプは微笑を浮かべ、ハモンも2人のやり取りに「成程」と呟く。
「戦場は動いております。そんな戦場で自動操縦で突撃など・・・」
ラルはクランプの言に頷く。
「その通りだ。古き悪しき、そして確実な戦術だ。あの若造共に大人のズルさを学んでもらうとしよう」
ブリッジのクルー全てに爆笑が起きた。このブリッジにいるスタッフが全てラルの昔ながらの部下、仲間たちだった。彼らはラルを慕い、同じ飯の窯を共にしてきた。ラルが往くところはなんとやらだ。
* ダカール上空
サイコアプサラスは攻撃してくるアムロのデルタプラスを軽くあしらっていた。
機体が擁するサイコフィールドの厚みが桁違いだった。アムロは幾度もデルタプラスでの突貫を掛けたが、バイオセンサーの開放でもサイコアプサラスの装甲まで辿り着いて薄皮1枚剥がしていける程度だった。
アムロは前進してくるサイコアプサラスのガス欠を一瞬待つことを考えたが、サイコアプサラスの攻撃軌道はすべて街へと向いていた。明らかに無差別攻撃だった。民間人は議会開催に応じて疎開済みで人的被害はないが、住む場所、働いて暮らす生活をこの攻撃で破壊される。その事を考えると心が痛む。戦時とはこうも非情なものであるとアムロは知っている。アムロはカミーユの言を思い出していた。そしていら立っていた。
「・・・確かに単機でどうのこうのできる相手ではない。だがお前みたいに損得勘定出来るほど大人に徹することはできやしない!」
アムロは考えていた。この世界は全員が良く考える。とてもいい傾向だと思っていた。しかし時に何か大切なものをないがしろにしていることがある。それは敵味方両方だ。
「友軍はどこに・・・」
アムロはサイコアプサラスの進軍を妨げながら周囲を見回していた。未だにゲリラと戦う連邦軍、エゥーゴ、ティターンズの姿が見て取れた。中にはサイコアプサラスに向けての地上からの砲撃も見て取れた。
「火力が足りなさすぎる。あの攻撃で指揮系統が壊れたのか」
そう思考しながらもデルタプラスをもう何度目か分からないぐらいのウェイブライダー突貫を仕掛けた。ガス欠を狙っていた考えを捨てたアムロがガス欠になりそうだった。
デルタプラスが再び赤い光に包まれた。巨大なサイコアプサラスの左翼に目がけ突撃を掛けた。この攻撃で左側に風穴を開けてやると意気込んでいた。その動きをエルランも見抜くと言うより、そもそも巨体な機体への攻撃はどこに仕掛けるかなど一目瞭然だった。それ故に防ぐ為の用意さえ周到ならば容易な話だった。
「また来たか。だから故の装甲なのだ。巨体の欠点を利点に変えることが難攻不落と
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