35話 サイコミュニケーター 3.10
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!全火力を奴に集中させてこの世から塵一つ残すな!」
周囲の士官はその命令に素直に従った。ウッダーは首都防衛を失敗した。それも最悪な結果で。
最早その原因の排除しか彼の頭にはなかった。他の者はあの砲撃がここまで届く事実に恐怖し、目前の脅威を取り除くことに尽力しようとしていた。
* ダカール上空 デルタプラス
アムロは隙を見出せない戦闘の最中、首都部から移動中のカイからラジオ無線でサイコアプサラスの砲撃の被害を聞いていた。
「ジジジ・・・・あー、聞こえ・・・るか・・・アムロ・・・」
ミノフスキー粒子が戦闘レベルになっている為、通信がとぎれとぎれだった。しかし要点だけの会話なら問題ないため続けた。
「ああ、カイ。聞こえるよ。目の前のデカブツから砲撃を許してしまった。被害は?」
「ジジ・・・議事・・・堂の・・・一部・・・消滅・・・・ゴップと・・・・コリ・・・ニーが・・・揃って・・・殉職し・・・」
その報告にアムロが驚愕した。
「なんと!」
カイは無線を続けた。
「・・・事態は・・・急転・・・だ・・・ジジ・・・アムロ・・・・生き・・・て・・・」
「ああ、了解だ。情報の収集を頼む」
「ジジ・・・当・・・然」
両者の通信は終わった。政治機能が沈黙したことを知ったアムロは、目の前の敵をこれ以上何もさせないと心に誓った。
* ア・バオア・クー宙域 シロッコ艦隊旗艦ジュピトリス艦橋
サラがオペレーターよりある信号を受けたことをシロッコに報告した。それに頷き、艦隊の発進を命令した。
「さあ地球では政治機能が失われた。全ては愚かな現体制が招いた結果だ。これに終止符を打つべく我々も地球に向けて発進する」
ジュピトリスを含めた巡洋艦数10隻が核パルスエンジンに火が灯ったア・バオア・クーを従えて地球へと向かって行った。シロッコはその目線を艦橋窓ガラス向こうの宇宙へ馳せていた。
「(メシアがあの機体に乗っている限りは死角はない。後方にある球体の要塞が何の為なのかが測ることができなかったのが悔やむことだが・・・)」
シロッコはフロンタルの企みが十分読み切れていなかった。彼の今までの行動として、ジオンを崩壊させてサイド3を掌握した。そしてあの球体。彼があそこにいることはここまで届く気配からも確実だった。
「私はこの破壊から再生を望む。お前は一体何を望むのだフロンタル。ただ破壊だけか?」
そう呟き、傍にいたサラは尊敬する司令官に不安な面持ちで見つめていた。シロッコの見据えた先はサイド3の方面。その問いかけに答えは返ってはこない。シロッコは感じていた。その答えを彼が述べる時は人類の選択の時だと。
* ソロモン宙域 シーマ艦隊旗艦艦橋
コッセルがシロッコか
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