35話 サイコミュニケーター 3.10
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「ええ、<サイコフレーム>は不安定因子があると。中でも人の心に作用するので人自身を支配できる可能性がある。その力に上限がないと・・・」
ルセットは不安そうな顔をしていた。アムロは栄養ゼリーをチューブでギューと吸っていた。
「科学者が研究の先に怖気づいてしまったか」
「笑えません。私も頭ではわかっていてもこのサイコミュによるビットコントロールは異様です」
「そうだな。いくら作用する物質が有っても脳波でそれを刺激できるなど不思議だよな」
ルセットはアムロの言に頷いた。アムロは栄養ゼリーの空容器をゴミ箱へ捨てた。
「この8年間。この時流と共に生きてきた。全てに意味があり今がある。友人との話での受け売りだが、一つはこの技術だと思う」
ルセットはアムロを訝し気に見た。
「・・・それはニュータイプとしての考えですか?」
アムロは微笑した。
「オレはそんな大層なものではないよ。人類がオレが考えるニュータイプへと進化できれば現状になってないさ。皆各々の正義を信じて動いている。ただそれにサイコミュというものが自然と関わってきている」
「中佐が考えとは?」
「人類は宇宙に出た。その事はこの地球と言う小さな鳥かごから無限の可能性のある世界へ飛び出したのさ。宇宙は様々な考え全てを許容できる器だ。しかしまだひよこで帰属意識がこのオレでも根強い」
「地球恋しさですか・・・。普通にそう思いますね。母なる地球ですから」
ルセットがそう言うと、アムロがルセットに指差した。
「それさ。その考え方が現在左派、右派と極端なんだ。それを捨てきって時代に身を委ねていける余裕が有ればいい。それが現状で考えるオレのニュータイプ論だよ。それをやはり左派、右派がサイコミュにもてあそばれている」
ルセットは思案顔をした。アムロも腕を組んで考えていた。ルセットが思いついたように一言。
「・・・人は役立つものを受け入れたがります。商売するものにおいてそれが目的では?」
アムロは頬を抓られた様な感覚だった。
「そうか!カイが喜ぶ。オレの違和感は技術発達。ひいてはサイコミュの異常発達。これをメリットと感じる奴が世界の正体か!」
ルセットはアムロの言葉にキョトンとなった。全く理解していないようだった。
アムロは自分で発した途方もない意見に我に返り、「すまない」と一言詫びを入れて補給について尋ねた。
「あと5分で終わります」
「そうか有難う」
そう言ってアムロは操縦席へと戻っていった。
アムロは操縦席にて無線回線でカイへと連絡を取った。
カイはダカール市街地から離れたホテルでミハルと部屋を取っていた。
通信が入るとその着信名に横たわっていたベッドから起きて、机に座った。ミハ
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