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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
NEXT STAGE
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承不承の面持ちで、両手をズボンのポケットに突っ込んだまま
少女へと向き直る。
「いいか? スタンドを 「発現」 させる為にはまず、
自分の背後にチョイとばかり意識を集中させてやる」
「背後にね! こう!?」
 無駄だとは言ったものの、一応教えると約束したからにはソレなりに、
承太郎はスタンドの発現の仕方を少女に伝授する。
 少女もうって変わった、まるで戦場にいる時のような真剣な表情となる。
「足の 「開き」 はこんなもので良い? 
肩はもうちょっと 「入れた」 方がいいかな?
あ! 前後の荷重の配分(バランス)は?
発現する時の 「反動」 ってどっちから来るの?」
「……」
 矢継ぎ早に飛んでくる、少女の質問。
 要は 「後ろに意識を向けろ」
たったソレだけしか言っていないのだが、
少女はもう両腕を交差した独特の構えを執り、
スタンドが出た「後」の対処にまで気を回している。
 その純粋でひたむきな態度。
 そして一を聞いて十を理解する卓越した知性が、今は無性に哀しく想えた。
 しかし今更止めるワケにはいかないので
承太郎は淡々と続きを説明する。 
「そしてたった一言、強く念じる。
“出ろ” または “来い” そんだけだ。
やってみな。スタンド操作の仕方はその後だ。
スタンドがなけりゃあ操作方法なんざ教えても意味ねーからな」
「ハアアアアアアアアアアアァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」
 言うが速いか。
 少女の清廉な息吹が空間に響き渡る。
 ソレだけで周囲の空気が凝結したかのような、鋭い緊張感が辺りを支配する。
(やれやれ……教えられるとすぐに 「使って」 みたくなるタイプか……?
始末に負えねーな、こりゃ……)
 この後の展開を予想して、美貌の青年は学帽の鍔で視界を覆う。
 やがて。
 少女の膝下まで達する長く美しい黒髪が、風も無いのに数束、
ミエナイ引力に惹かれるかのように空間へと舞い踊り、
瞬時に火の粉を撒いて灼熱の光を灯す。
 同時に。
 その漆黒の双眸も、この世の何よりも熱く烈しい、紅蓮の煌めきをその裡に宿す。
“炎髪灼眼”
 少女をフレイムヘイズたらしめている、宿命の刻印(シルシ)
 身に纏っている黒尽くめの洋装等、
本当にただの装飾(かざり)にしか過ぎない
存在の光華。
 そして。
 少女の変貌と同時に交叉していた両腕が、
突如双刃の抜刀術を彷彿とさせる尖鋭な勢いで振り解かれ、
周囲に旋風を捲き起こす。
 その動作に呼応するかのように、
「来オオオオオオオォォォォいィィィィィィィッッッッッッ!!!!!!」
勇ましき灼熱の喊声が、その可憐な口唇から発せられる。
 少女の全身から夥しく飛び散って、空間を灼き焦がす紅蓮の火飛沫。
 ま
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