第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
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同じようなコトが在り、
ソレを己に流れる “血” が覚えていた所為なのかもしれない。
「……」
安堵によく似た、その奇妙な 「実感」 を反芻する青年の傍らで、
「よろしい」
と、黒尽くめの少女が腕組みをしたまま深く頷いていた。
その脇の美男子は、変わらない穏やかな微笑で二人をみつめている。
頬を撫でる、深緑の息吹。
髪を揺らす、初夏の風。
三者の間に、緩やかな空気が充ちていく。
そし、て。
「さて、それじゃあ今度は 『私の番』 ね」
「アン?」
「?」
穏やかな沈黙を破った少女の言葉に、
懸念の表情を浮かべる二人のスタンド使い。
「ボク達の番、 って?」
不思議そうに自らを指差す花京院。
「オレらがオメーに、一体ナニ教えるってんだ?」
件の剣呑な瞳で、少女を見据える承太郎。
「格闘技はいまさらだし、 「剣」 なんぞオレらは使ったコトねーぜ。
それともまさか、何か一発芸でもやれってのか?」
「あ、それならボクはチェリーを口の中で結ぶ事が」
「“前” ヤってやったアレか? でもオメー煙草吸えねーだろ?」
「そんなわけないでしょ! バカバカバカ!」
真っ赤な顔をして、少女は長身の美男子二人を
見上げるようにして叫ぶ。
「“おまえ達が私に教えるって言ったら決まってるでしょ?”
『幽波紋の出し方』 よ」
すました顔で、当然のように言い放つ少女。
深緑香る爽やかな初夏の昼下がりだというのに、
何故か冷たい風が一迅、3者の傍らを通り過ぎた。
【3】
「『スタンド』 って……オメー……無理に決まってンだろ……」
唐突且つ想定外の少女の要求。
承太郎はやや呆れたような口調で。
「シャナ。君は 『スタンド使い』 じゃないだろう?
『そうでない者』 にスタンドを発現させるコトは不可能だよ」
花京院がゆっくりと諭すような口調で、それぞれ少女の申し出を否定する。
しかしこの最もな正論を、 目の前のハードな洋装に身を包んだ少女は、
昔々在る処の悪逆非道の王国の頂点に君臨していた
暴虐の姫君の如く突っぱねる。
「うるさいうるさいうるさい! “だからこそ” 教えてって言ってるの!
おまえ達だって元は普通の人間でしょ!
だったらフレイムヘイズで在る私に出来ない筈がないわ!」
「……」
「……」
この、一見筋が通っているのかいないのかよく解らない理屈に、
若き二人の 『スタンド使い』 は大いに困惑する。
「お・し・え・て! 自在法の理念は教えたわ。
Give and take。
それとも、ただでモノを貰ってソレでいいと想うような、
そんな情けない 『男』 なの? おまえ達?」
途中完璧な発音でそう言って、シャナは据えた
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