第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#1
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収 斂も発動も巧くはいかない。
だからその 「基礎」 としてまず 『チカラの集束と変換』 を体感させたの。
状況に応じてチカラを然るべき処に集め、無駄を殺ぎ落とし、ソレを変換させる術をね」
そう言い終えるとシャナは、教師が持参したテキストの束をまとめるように
右手に宿った炎を大仰な手捌きで振り翳し、掻き消す。
そして。
「さて、と。これで私の 「講義」 は終了よ」
礼の代わりに可憐ながらも強い微笑を口唇に浮かべ、承太郎達に向き直る。
センセイ役は、コレで終わり。
再び対等の立場に戻ったシャナは壇上から飛び降り、
長身の美男子二人の前へと軽やかに着地した。
その眼下の、自分の腰元に届くのがやっとという
背丈の少女に承太郎は問い質す。
「おい? チョイ待ちな。そのジザイホーとやらの 「ヤり方」 を
まだ教わってねーぜ。せめて 「基本技」 くらいは知っとかねーと
「応用」 も何もねーだろ?」
正当な要求。
しかし少女から返ってきたのは、ソレとは 『逆』 の答え。
「 “ソレ” は、“おまえ達自身が自分で” 感得して体得するしかない。
存在の力の流れ、その感じ方や制御の仕方は同じように見えて、
実は一人一人全然違う。当然その 『発現型』 もね。
要は創造力と己の潜在能力との瞬間的な融合化よ。
ソレは誰に教えられるモノでもないし伝えられるモノでもない。
おまえ達が自分自身でやり遂げる “しか” ないの。
歴代のフレイムヘイズはみんなそうしてきたし私もそうしてきた。
だからおまえ達もそうしなさい。 “ヒント” はもう充分あげたでしょ? 」
青年のライトグリーンの瞳を覗き込むようにして告げられる、少女の返答。
「……」
普通ならここで “できるわけがないッ!” と4回位叫びそうだが
幾分かの沈黙の後、青年は答えを返す。
その瞳に宿る、怜悧な光に裏打ちされた答えを。
「……つまり、オメーに手取り足取り教えてもらった “ジザイホー” じゃあ、
ソレは “コピー” ってヤツで 『本物』 じゃあねぇってコトか?
自分に合った能力の 「使い道」 ってヤツを、
テメー自身でみつけろってコトだな」
生来の洞察力と実戦で磨き上げられた判断力とで、
自分なりの答えを導き出す 『スタンド使い』
ソレに対し眼下の少女は、
「そのとおり。よく解ってるじゃない」
(届くのなら) その頭を被った学帽ごと撫で回しそうな心持ちで、
満足そうな笑みを彼に返した。
「そりゃ、どーも」
青年は剣呑な視線で少女の笑顔を受け止めながら、
ふと既視感によく似た感覚が脳裡を過ぎったのに気づく。
遠い、昔。
『自分ではない誰か』 に
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