第二章
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「清正さんが猿の大群集めて河童を攻めさせて退治したって話もあるんだよ」
「へえ、そうですか」
「そんな話もあるんですね」
「というか熊本っていうと清正さんですね」
「あの人やたら出ますね」
「ああ、そうした話もあってな」
そしてというのだ。
「犬と河童も仲が悪いらしいんだよ」
「ああ、じゃあ三すくみですね」
「蛇、ナメクジ、蛙と一緒ですね」
「そうなりますね」
「そうだな、ただ河童はいないだろうな」
今も目撃したという話があってもだ。
「多分な」
「いたらスクープですからね」
「そうした番組の方で」
「幽霊とか人面犬と一緒で」
「大騒ぎになりますよ」
「それは間違いないな、けれどな」
今わかっている限りではというのだ。
「あくまでいたらだからな」
「その場合はですね」
「話題となる」
「そいうことで」
「若しいたら三すくみをしたいけれどな、俺も」
その河童と犬、猿のだ。
「けれどそれは河童が見付かった場合でな」
「今は、ですね」
「犬と猿ですね」
「それをやりますか」
「ああ、とりあえずどっちもな」
犬と猿の両方をというのだ。
「連れて来るか」
「じゃあ犬はどの種類にします?」
「それで猿は」
「まあ日本風でいいんじゃないか?」
大溝はこの辺りは適当だった。
「秋田犬とニホンザルとかな」
「まあそうですね」
「日本にある諺ですし」
「中国から入った諺かも知れないですけれど」
こうした諺なり言葉は案外多い、紅一点や四面楚歌それに白波や塞翁が馬という諺や言葉も然りである。
「まあ日本の諺ですから」
「日本の犬と猿でいきますか」
「秋田犬とニホンザル」
「それでいきますか」
「ああ、じゃあそれでいくか」
こうしてだった、その犬猿の仲を実際かどうかをコーナーで行うことにした。そして。
実際にだ、番組の収録の時にだった。
白い毛の見事な秋田犬とだ、賢そうなニホンザルが連れて来られた。
スタッフはその彼等を大溝の前に連れて来てだ、笑顔で言った。
「秋田犬の三原君です」
「ニホンザルの水原君です」
「何だ、二匹共四国出身か?」
二匹の名前を聞いてだ、大溝はすぐにこう言った。
「高松か」
「いえ、三原君は俺の家で飼ってる犬です」
スタッフの一人岡崎四郎が答えた。
「名前は祖父さんが九州出身で西鉄ファンだったんで」
「今の西武か」
「はい、それで最初は森君って名付けるつもりだったんですが」
「三原君にしたんだな」
「こっちの方がいいって思い直して」
「成程な」
「はい、それと水原君はです」
猿の方はというと。
「八条動物園の猿です」
「あそこから借りてきたんだな」
「はい、系列なんで」
彼等が所属している八条テ
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