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SAO─ウセルマアトラー・サンサーラ
【暗黒の剣士】──因果率崩壊Lv:X
笑う棺桶(1)
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滅したり、外から侵入しようとしたオレンジプレイヤーを撃退したりする、プレイヤーたちの守護者。

 しかし、アインクラッド第九十五層において、『聖騎士の堕天』『裏切りの騎士事件』などと呼ばれる、聖騎士ヒースクリフが、ゲームデザイナー件ゲームマスター、即ちはSAOをデスゲームに仕立て上げた本人であると暴露し、第百層へと姿を消す、その事件を境に、アンチクリミナル・コードは消滅した。つまり、この第九十九層にあって、アンチクリミナル・ガーディアンは、もはやこの世界には存在しないはずなのだ。街の中で戦闘が起こっていることでも分かる。

 余りに奇妙。余りに奇怪。ありえない光景に、ジンが硬直していると──彼の左目が、ずきり、と痛んだ。

「うっ……!?」

 その感覚には、覚えがあり、そして無い。良く似た感覚は、かつて体感した。

 そう、たしかそれは、己と同じ読みの名を持つ、月の瞳を持った刀使いから手に入れた、すべてを見通すユニークスキル──

「……《千里眼(ウアジエト)》……!?」

 ジンの左目が黄金に輝くのを見たものは居ない。

 彼の脳裏には、目の前で争う黒の戦士と白の戦士たちのステータスが全て映り込んできていた。

「アンチプレイヤブル・ガーディアン、Lv300……!? なんだこの聞いたことないスキルは……《粛清剣》……? ソードスキル《ギロティック・スラッシュ》……? マスターは、《暗黒の剣士》……カーディナルじゃない……!?」

 元々相手のステータスを奪って生きてきたジンだ。未知のスキルには興味がある。だが、それすらも追い越して、ただただ、驚愕。

 それを助長するのは、もう一つ。映り込んできた、白の戦士のステータスだ。
 なんとなく見覚えのある、銀色の鎧を纏ったランス使いの彼のステータス、は──

「シュミット……あの馬上槍部か……? Lv240……全然届いてねぇ……ステータスは筋力値寄り……相変わらずの防御極振り装備だな…………ん? 所属ギルド……《笑う棺桶》……」

 笑う、棺桶?

「馬鹿な!?」

 ──なんだこれ。原作崩壊なんてレベルじゃねぇぞ……!?

 それは、根本的な改変だ。世界が、螺曲がる。

 そういうことか、と。
 あの癖毛のバケモノが言っていたのは、こういうことか、と。

「ラフコフが『正義の味方』だと……?」

 これでは、『原典』など、成立するわけもない。

 恐らく原因は、あの黒い塔だ。そう、ジンが悟ったのと同時に。

「……!」

 背後に、殺気。《千里眼》が《策敵》の代わりとなって、その存在を教えてくれる。

 ポップしたのは、漆黒の鎧に身を纏った騎士。大降りのブロードソードを構えて、こちらに狙いをつけてくる。

「ア
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