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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話 イゼルローン要塞に帰ります・・・・。
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リーンヒルのようなものだと。ただし、エステルにはフレデリカのような記憶力はない。その代りにきちんきちんと予定や重要事項を書き込んだシステム手帳を常備している。
エステル・フォン・グリンメルスハウゼンはほっそりした白い指でしっかりとつかんだカップからお茶を飲んだ。だが、その唇はお茶を堪能するというよりも、前々から気にかかっていたことを言いだしたいという動きをして、言い出せずにためらっているといった様子だった。
「どうかしましたか?」
「はい。エリーセル少佐。あの・・・」
「なんですか?」
「どうしてわたくしに敬語をお使いになるのでしょう?わたくしは大尉であなたは少佐ではありませんか」
「同い年ですもの」
フィオーナはにっこりした。エステルはその輝くような笑顔に気圧された様に身じろぎした。
「それに、私は人によって態度が変わります。いつもいつもこうしていることはありません。理不尽な方には毅然とした態度をとりますし、その逆もあります。あなたの謙譲さが私のあなたに対する態度を引き出したのです。私はいわば鏡のような性格なんですよ」
「つまり、わたくしが態度を変えれば、それに対するエリーセル少佐の私に対する態度も変わるということですの?」
「そうなります。でも、そんなことはあってほしくはありません。多少我を曲げることはこの先いくらでもあるでしょうけれど、でも、あなたの本質までも捨ててほしくはない。あなたはあなたらしく、精一杯生き抜いてほしい、それが私の願いです」
どういうわけか、同い年なのにずっとずっと上の人と話しているような気分にエステルは陥った。
「大丈夫です。あなたならこれからの波乱に満ちた時代も、生き抜くことができます」
私の保証では少し物足りないかもしれませんけれど、と最後は笑いに紛らわしながらフィオーナは言った。
巡航艦オルレアン――。
戦闘が終了し、艦橋要員たちは肩の力を抜き、腕を伸ばしたり足を延ばしたりしていた。まだ戦闘宙域にはいるのであるから、そういうことは早すぎるのであるが、ロイエンタールもティアナも注意せず、大目に見ていた。
何しろ、この数時間は文字通り死闘の連続だったのだ。オルレアンはリシュリューと協力し、巡航艦隊の一員として前面に展開する2倍の高速艦隊を蹴散らしたのだから。ロイエンタールもミッターマイヤーも側面、上方、あらゆる角度から突撃を繰り返し、敵を翻弄させ、その動力部を破壊して漂流させ、なおかつ多大な撃沈戦果も挙げたのだった。艦の被害も零では済まなかった。それでも生きて帰ってこれたのはひとえに乗組員たちの結束力の強さだった。それを実現したのはティアナ、そしてロイエンタール自身だった。戦闘始まってしばらくは乗組員の間で、こと男性女性の間で争いが勃発した。持ち場の責任と
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