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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話 イゼルローン要塞に帰ります・・・・。
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「儂も今回は責任の一端を免れんか。あの艦隊の跳梁を許した結果、アジール中将を戦死させてしまったからのう」
「いいえ、敵が見事すぎたのです。閣下。まだまだ挽回の余地はありますし、そうしなくてはなりませんわ。そうでなければ、戦死した将兵に申し訳が立ちません」
シャロンがいつにない熱心な口ぶりでビュコックを励ます。ビュコック中将は何とも奇妙な目でシャロンを見た。そしてただ一言こういった。
「貴官は・・・・優しすぎるのかもしれんな」
シャロンの顔に一瞬戸惑いの色がうかんだが、すぐに消えた。
「それよりも、今は負傷者の救出じゃ。一人でも多く助けたい」
『はっ!』
参謀長とシャロン、そして副官、参謀たちはそれぞれの職務を果たすべく、一斉に部署に散っていった。
■ シャロン・イーリス准将
あの帝国軍艦隊は、奇妙だわ。会戦序盤からの座り込みと言い、急に突撃してきたその慌てぶりと言い、そしてそこから一転しての的確な艦隊運動と苛烈な砲撃、そして鮮やかな撤退は、とても同一人物の指揮している艦隊と思えない。ビュコック中将ほどの人が翻弄されるのであるから、中々の名将だとは思うけれど、でも、帝国データベースにはそんな人はヒットしなかった。ということは・・・・・。
――いずれにしても、あの艦隊の所属人員を特定することは急務ね。そこから色々と推論できるきっかけが手に入るでしょうから。
一方――。
グリンメルスハウゼン艦隊旗艦艦橋では、ようやく目を覚ました参謀長以下が唖然としていた。無理もない。自分たちが戦闘中に眠りこけている間に戦闘は終了し、司令長官の戦死という損失を被って撤退しているのであるから。
「これはどうしたことだ!?」
参謀長はフィオーナに食って掛かった。まさかリューネブルク准将が睡眠剤を入れたとは口が裂けても言えない。仕方なく、
「私にも原因はわかりませんが、突如参謀長閣下方が昏倒されたため、やむなくリューネブルク准将閣下に指示を仰いだところ、准将閣下は私に指揮権を委譲されました。残存する司令部要員の中で一応最上位の私が指揮を引き継ぎました。リューネブルク准将は陸戦隊専門の指揮官ですので」
と、言った。参謀長の顔が破裂寸前になっている。言いたいことは山ほどあり、罪を鳴らす要素も山ほどあると言わんばかりの顔だったが、言葉がおっつかないのか、何を言っていいやらわからない様子であった。それでも、
「何!?准将、どういうことか!?こんな小娘に一個艦隊の指揮をとらせるなど、前代未聞の――」
「これこれ、参謀長、そう怒るでない」
グリンメルスハウゼン子爵閣下が声をかけた。
「しかしですぞ、司令官――」
「儂が承認したのじゃから、いいではないか」
『は!?』
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