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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜シズクの夢〜
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……」

「……確かに言われてみればそうですね……医療の発達していない場所が、大陸中に多くの信者が存在し、フットワークのあるイーリュン教の信者達が求められている傾向がありますものね……」

「そういう意味では最先端の医療技術があるこのウルスラ病院があるクロスベルにも”癒しの聖女”みたいな高位の治癒術士は求められていないって事になるって訳か。」

「……適材適所ってヤツだな。今回はそれが裏目に出てしまったって事か………」

アリオスの説明を聞いたエリィはある事に気付いて声を上げ、ティオは複雑そうな表情で呟き、ワジとランディは重々しい様子を纏って頷き

「ああ……ティア神官長があんなに長くクロスベルに留まる事ができたのは治療が必要な患者があまりにも多すぎて、ウルスラ病院だけではとても手が回らないという事が一番の理由だからな……」

ロイドは溜息を吐いて言った。



「ちなみに、”闇の聖女”も”癒しの聖女”同様、このクロスベルに来るにはあまりにも難しすぎる。……そういう意味ではティオ。ガイがお前の治療の為にクロスベルに”闇の聖女”を連れてこられた確率はぶっちゃけ言うと、かなり低かったんだぜ?」

そしてセルゲイは説明を続けた後ティオに視線を向け

「…………でしょうね。メンフィルに何のコネもないガイさんが皇族かつ宗教の最高責任者であるペテレーネさんをクロスベルに連れてくるなんて、普通に考えてありえない事ですから。」

視線を向けられたティオは静かな表情で頷いた。

「あの、気にしないで下さい。私は大丈夫ですから。それよりお父さん……私、みんなで屋上に行きたいな。」

するとその時シズクが申し出た。

「ああ、いいかもしれねえな。病室にこれだけの人数が集まってるのも何だし、新鮮な空気を吸いたいとこだ。」

シズクの言葉にセルゲイは頷き

「で、でもシズクちゃん、手術して間もないんだし無理しないほうが……」

ロイドは戸惑い

「……いや、医師によれば強い光に長時間晒さなければそこまで悪影響はないらしい。今日くらいの天気なら、多少の外出も問題ないはずだ。……許可をもらってくる。すまないがシズクの準備を手伝ってやってくれ。」

アリオスは答えた後病室を出て行った。

「あ……」

「やれやれ、あの”風の剣聖”も娘にはとことん甘いみたいだね。」

アリオスの行動を見たエリィは呆け、ワジは静かな笑みを浮かべ

「お父さんは普段からとっても優しいんですよ。」

ワジの言葉を聞いたシズクは微笑んだ。

「ま、そういう話ならせっかくだし付き合ってくか。」

「ええ……そうですね。」

「ふふ、よろしくお願いします。」

その後ロイド達は屋上に出た。


「シズク
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