一発ネタ
羞恥心で死にそうだ!
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「エイナ、セットアップ!」
≪Резервная леди, установка!≫
旧ソ連軍の軍装――残念ながらこの場の人間は知らなかったが――に身を包んだ子供の声が響き渡る。
全体的に地味な色合いの軍装だったが、赤い星がトレードマークになっていた。
手にはアサルトライフル――AK-47――をもち、背後を使い魔らしき女性が守っていた。
突然の闖入者に、時空管理局の若き執務官クロノ・ハラオウンは目を見張った。
とはいえ、彼の仕事は変わらない。
「まだ魔導師がいたのか!? 管理外世界での魔法の使用は違法だと知らなかったのか?」
「そんなことはどうでもいい。お前、フェイトをどうするつもりだ」
「……違法な魔法行使の現行犯で、連行するところだ」
「俺は管理局なんて知らない。だから、そこの黒いのが正しいのかもしれない。けれどな――――」
そう言って、キッとクロノを見据える。
クロノは思わず身構えた。
目の前のおそらく10歳にも満たないであろう少年に気圧されたのだ。
あらためて少年を観察してみると、輝く銀髪にルビーとサファイアのオッドアイ。
驚くほど整った容姿をしていた。
手に持った武器は、一見質量兵器にも見えたが、デバイスのようだった。
そしてなにより、その恐るべき魔力量。
目算だがSランクを超えているのではないだろうか。
彼は小さな、しかしよく通る声で朗々と言い放った。
「俺の嫁に、手を出すな」
バインドに捉えられたフェイトは、ミーシャ、とつぶやくと満更でもなさそうに照れていた。
その一方で、もう一人の少女なのはは、一気に不機嫌そうなオーラを放つ。
オーラは溢れだす魔力となって、空間を震わせていた。
そして、そんななのはを見て、フェイトが、フッ、と勝ち誇った表情をしているのを見てしまった。
嫁? 修羅場になった場にクロノがおののいていると、その張本人は、場の空気にも気づかずに悶えていた。
(は、恥ずかしいよぉ……)
怜悧な美貌の下で、羞恥心に身を震わせていたのだった。
◇
俺の名前は、ミハエル・カラシニコフ。
俺には秘密がある。
銀髪オッドアイ、無限の魔力、チートデバイスなどなど。
そう、俺は『転生者』なんだ。
しかも、『踏み台転生者』なのだろう。
え、かわいそうって?
そんなことない。
残念ながら転生させてくれた神様にはお会いしたことはないが、心から感謝している。
俺の前世は、ずっと不治の病との闘いだった。
ずーっと病院のベッドで過ごす日々。
結局、一度も学校に行くことができずに死んでしまった。
だから、転生神には、心
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