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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第13話『ギルド』
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 一応その束ねた資料をグシャグシャにならないように畳み、腰に巻いた大きめのポーチに慎重に仕舞い込む。見た所持ち主は居ないようだし、捨てられている所を見るとそう重要視されているようなものでも無い筈だ。
 埃っぽい室内を見渡し、他には何も気になる部分が無いと確認してから、目の前の木製のドアを押し開く。ボロボロのドアを壊さないよう慎重に扉を閉めて、何事もなかったように立ち去ろうとする……が、その足取りも直ぐに停止した。

 気付けば、囲まれていた。
 二十……いや、下手をすれば三十は居るか。それ程の数の男達が、ジークを逃さないように周囲を囲んでいる。その割に武器らしい武器は持っていないどころか、立ち方も構え方も目線のやり方も、何もかも素人。やろうと思えば、十秒と掛からずに殲滅することも不可能では無いだろう。
 ……となればこの者達は、服装から察するにも、この村の住人達ということになる。

 と、村人達の間を割って、一人の男が進み出て来た。

 たった一人他の村人達と違う雰囲気を纏ったその男は、基本的に武器を持たない村人達にしては珍しく、その肩に少し塚の長い長剣を担いでいた。荒々しくも様になったその姿は、追い?ぎと断定するには違和感が酷く感じられる。
 鋭い敵意を一身に受けつつも、ジークはその敵意と拮抗させるように己の敵意を叩き返した。

「……ここまで大勢で、たった一人の旅人を囲い込むってのは、また穏やかじゃないな。――その佇まい。ある程度修羅場を潜った戦士と見受けるが、何用か」

 下りはしない。僅かな緊張すら心の奥に押し隠し、強気な態度を装って男に問う。相手に主導権を握らせてはならない、あくまでもお互いが対等の存在となるように接する。
 ジークと相対する男はジークの言葉を受けて眉をピクリと動かすと、彼もまた低い声音で、ハッキリと彼らの要件を伝えようとする。

「──ギルドから出て来たな。お前は、ギルドの役員か」

「違う、俺は今さっきこの町に来たばかりの旅人に過ぎない。稼ぎ口を探してここに来ただけだ」

「証明出来るか?」

「俺は元『対魔傭兵(リ・メイカー)』の構成員だ。このエムブレムが証明になる」

 胸ポケットから取り出した、既にシャツからは切り離してあるエムブレムを指して答える。『対魔傭兵(リ・メイカー)』は原則、魔族から人間を守護するだけの平等なる傭兵団として、どこか特定の組織に加入する事を認められていない。それは全世界に既に浸透している事実であり、このエムブレムも『対魔傭兵(リ・メイカー)』以外の者が所持する事は認められていないのだ。
 が、現在のジークは『対魔傭兵(リ・メイカー)』の掟を破った反逆者だ。今頃その資格は剥奪されているだろうし、だからと言って嘆くつもりも無い。

 使える
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