101話 火柱
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部の元凶なの?もしかして……あの杖?ドルマゲスは、あれに操られてただけの単なる窃盗犯だったってオチなの?!
ククールがとっさに私を引き寄せ、無言で目の前に……いや、ククールは私だけを守ったんじゃない。エルトを背にかばい、ヤンガスの延長線上になるように、して。展開したのは、これは……この魔法文字の羅列は、マホカンタだろう。とっさの詠唱破棄の魔法なんて、マホカンタなのにマホターンみたいに一発で崩れてしまうものだけど、ククールは正しかった。
何故って。
赤く目を光らせたゼシカが放った《《何十発分のメラゾーマごと巻き込んで破壊して、結果的に弾かれること無く無効化出来たから》》。跳ね返っていたら、大切な仲間を失い……マホカンタが無かったら、私たちは骨の欠片も残らず焼け死んだだろうね……。
幸いというか、それで魔力を使い果たしたのか、いくら無効化出来たといっても反動はすさまじかった。だからゼシカは今度こそ意識を失ったみたいで、倒れる。こっち側の反動は体重……じゃなくて重量が重い私がククールの腰とエルトの肩を掴んで吹っ飛ばないようになんとか支える。ヤンガスは……振り返ることは出来ないけど、ふっとんだ気配はないから踏ん張ったんだろう。
……ゼシカは、ゼシカは。いくらゼシカが豊潤な魔力の持ち主でも、今のは……。急いで駆け寄ろうとしたら、今度は男の声に止められる。……ハワードさんだ。
待てって?なんで。ゼシカは私達の仲間だよ。早く、助けないと。
何さ。……駄目だ?邪悪な気配が消えていない?……。
……じゃあその、クラン・スピネルを使って完成した魔法を唱えて、ゼシカを返して……。早くしてね、今、私は貴方のクラン・スピネルの魔力を奪いたくてたまらないんだから。それ、私を狂わせるんだ。なあ、早くしてくれないか。
なあ!
・・・・
トウカの様子があまりにもおかしかったから、三人がかりでハワードさんから引き離したよ。そして一足先に宿に話を通してもらうってことであの場から離れてもらった。確かにこの期に及んで彼はかなり横暴で、町が反動の暴風で結構な被害があったみたいなのに気にもしない様子だから苛立つのは分かるけど、なんでだろう……。本人の言うようにクラン・スピネルのせいなのかな。
トウカが何かを欲しがるなんて珍しいよ。やっぱりなにかあるんだろうな。戦闘ならそれはもう欲しがるけど、いつでも。
あの後、ハワードさんの魔法でゼシカから邪悪な気配は消えた。それをすっかり確認してから今、宿屋にゼシカを運びこんで目覚めるのを待ってる途中。ククールのベホマに、一応神父様にシャナクをかけてもらって。すっかり眠っているゼシカは穏やかな呼吸をしていて、大丈夫そうだ。あんなに悪かった顔色も元に戻って頬に血の気がさ
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