第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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が
スーパーハイテクノロジー機器の多 重 高 質 画 像の
ように浮かび上がっていた。
その「映像」の中に在る、三つの人影。
裾の長いマキシコートのような学生服に身を包んだ、
ライトグリーンの瞳を携える美貌の青年。
ズタボロに灼け焦げたセーラー服を纏い、
所々その白い素肌が露出した紅い髪と瞳の美少女。
前述の青年と同じく裾の長い、
バレルコートのような学生服を着た中性的な美男子。
そして、たった今、その葛の映し出す 「映像」 の中で
バレルコートの美男子の腕の中、
「鳥」 の形を成して消え去った存在。
その最後の最後の刻まで己が最愛の存在の為に戦い抜き、
そして悠麗に散って果てた同胞その真名が、
清冽な水色の髪と瞳を携えた美少女の口から語られる。
「悼みます……壮麗なる紅世の王…… “狩人” フリアグネ……
その従者…… “燐子” マリアンヌ……」
その美少女、ヘカテーは宝石のようにエメラルドがかった双眸を閉じ、
可憐な指先を組んでたった今天へと昇った
二つの存在に静謐な祈りを捧げた。
眼前に拡がる、“此処ではない何処か” に向けて。
その、此処より遙か遠方の彼方を映し出す、
DIOの左手から延びた 『スタンド能力』
冠するその名は、
『永 久 水 晶』
本来、今や一心同体となったDIOの 「肉体」 嘗ての保持者、
“ジョナサン・ジョースター” の 「幽波紋」 として目覚める為に
潜在の中で眠っていた「能力」
だが、今、ソレを操るのは、
その彼の肉体と完全に融合したDIO本人。
男は、較ぶ者なき絶対者は、
ジョナサン・ジョースターの肉体のみではなくその精神の力、
『スタンド』 すらも己のモノとしていた。
DIOはそのスタンド 『永 久 水 晶』 が映し出す、
己が忠実な配下であったフリアグネの残霞に穏やかな声で語りかける。
「しばらくは冥府で安らうが良い。
何れ 『来るべき時』 が到来したなら、
其処から 『復活』 させてやろう。
お前の愛する従者共々な。
ソレが、最後までこのDIOの為に戦い抜いた
お前の 「忠心」 に対する褒賞だ」
呟くようにそう言ったDIOが、葛型のスタンドが絡みついた左手を軽く振る。
その動作とほぼ同時に、DIOの左腕に絡みついていた水晶の葛は
余韻すらも残さずアッサリと立ち消え、眼前の「映像」もまた全て掻き消える。
スタンド能力を解除したDIOが再びグラスを口元に運んだ刹那、
一つの小さな影が、いつの間にか視界に飛び込んで来ていた。
「……」
DIOは別段ソレを気に止めた様子もなく、
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