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第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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……止さぬか……貴様等……此処を一体何処だと心得ておる……?」
 殺気だった 『スタンド使い』 と “紅世の王”
その両者の間に殆ど水着のような、
半裸に等しき洋装を纏った絶世の麗女が割って入った。
 背にかかる漆黒の髪。
 褐色の艶めかしい、流線型の躰のライン。
 蒼黒の翡翠のような、神秘なる双眸。
 極薄に織られ黒く染め上げられたパシュミナのショールで妖艶な素肌を覆い、
頭部にソレと同色の、黄道の象徴を彫金した銀鎖の装飾で彩られたヴェールを被っている。
 その神麗なる姿。
 まるで闇冥(あんめい)の水晶が人の形に具現化したかのような、
霊妙かつ嬌艶(きょうえん)極まる風貌。
 しかしその美しい外見とは裏腹に、
紡ぐ言葉はまるで百年以上生きた賢者のように凛然としている。
「血気の抑まりが付かぬというのなら……
この “ワシ” が相手をしてやっても良いのだぞ……?
貴様等若僧 “二人まとめてな” ……我が至宝のスタンド……
正 義(ジャスティス)』 も “蹂躙(おど)る相手” が
いなくなって久しい故な……」
 森厳なるその声で、スタンド使い、紅世の徒両名に問いかける傾城傾国(けいせいけいこく)佳人(かじん)
 統世王DIO配下の組織、
幽 血 幻 朧 騎 皇 軍(ファントム・ブラッド・ナイトメア)】 の中では
『最大』 のスタンド能力を携えた妖麗なる占星師。
 その名は “エンヤ”
「……」
「……」
 片方はその相手に対する敬意から、もう片方は自分に対する保身から、
不承不承振り上げかけた拳を降ろす。
(貴女とコトを構える気は毛頭ありませんよ……失礼の段、お詫びいたします)
(チッ……この女の 『能力』 もまた未知数……!
今ヤり合うのは得策じゃない……
ここは引いといてやるぜ、妖怪ババア……ッ!)
 そう対照的に心の裡を呟いた両者は、
互いに背を向けて元の位置に戻る。
 その酷烈なる精神のブツかり合いの波濤が
一人の麗女の存在に拠って引いた瞬間、
空間に鳴り響く、讃美の音が在った。
「見事だ。 “狩人” フリアグネ」
 黒い本革のソファーの上にその長い脚を組んで座っていたDIOが、
眼前に拡がる 「光景」 に向けて拍手を送っていた。
「敗れこそしたが、お前はこのDIOの心を震わせた。
その真名に恥じない、見事な戦い振りだったぞ」
 その眼前の 「光景」 に向けて讃辞を贈り続けるDIOの、
細く艶めかしい指先から延びたモノ。
 ソレ、は。
 無数に煌めく、透明な(かずら)
 その透き抜けるウォーターブルーの蔦全体から
まるで放電現象を引き起こしているかのように遍く光が迸り、
そして光源を 「台座」 にして 『この空間ではない映像』
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