第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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。
ある人は楽しそうな表情で。
ある人は疲れた表情で。
でも、生きている。
邪悪なるアノ男の僕が来訪した、この街で。
強大なる紅世の王の襲撃に見舞われた、この場所で。
まるでそんな事など無かったかのように、存在している。
それは、アイツが、戦ったから。
自分の欲望の為になら、脆弱な人間など幾ら犠牲にしても一向に厭わない
吐き気を催 すような巨大な 「悪」 から、能力を持たない
弱き者達の 「盾」 となって、懸命にその生命を護ろうとしたから。
有象無象のこの世の 「闇」 に、その灯火、掻き消されてしまわないように。
本当に、必死になって、傷だらけになって、
最後の最後まで護り抜いたから。
だから、存在している。
「……ッ!」
今まで気づきもしなかった、一つの、意思。
自分が、フレイムヘイズとして今日まで懸命に生きてきたように、
この周りのたくさんの人達もまた、同じように頑張って生きている。
ただ、その場所が違うだけ。
ただ、その形容が違うだけ。
そう。
何も、変わりはしない。
“フレイムヘイズ” も 『スタンド使い』 も、そして、
『能力』 を持たない生身の人間も。
みんな。
同じ 「精神」 を持った、同じ存在なのだから。
それを、護った。
アイツと、一緒に。
(ッッ!!)
突然、周囲の全てが、光り輝いて見えた。
今まで気にも止めなかった日常の風景が、この世の何よりも。
そう。
戦ったから、存在している。
二人で勝利したから、存在している。
その全てが 『絆』 の証明。
時空を超えてこの天空の許巡り逢った、
『スタンド使い』 と “フレイムヘイズ” との。
だから、この世の何よりも輝いて見える。
そして、この多くの人達の中にも、
きっと、自分達と同じような 『絆』 が、たくさん。
それはやがて、拡がって。
拡がって……
“ひとつ、に”
「!?」
気がつくと自分は、アスファルトの上で一人だった。
突然、途轍もない恐怖感が胸の裡から迫り上がってきた。
咄嗟に顔をあげ、周囲を見渡す。
「取り残される」 「置いていかれる」 「一人になる」
こんな事に、こんなにも激しい恐怖を感じたのは生まれて初めてだった。
巡る視界の刹那すらもどかしく、少女はアスファルトを蹴って
がむしゃらに走り出そうとする。
が。
「!?」
探していたものは、すぐ目の前に在った。
誰一人として自分を置いてなどいかず、視界の先に立っていた。
「……」
シャナは
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