第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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“そんな顔をさせた”
全ての事象がその怒りの対象となった。
同じ 「男」 として密かな憧れを抱いていた、空条 承太郎のコトすらも。
「後生だ! 行かせてくれッ! オガタ君! 男が男を見込んでの頼みだ!」
「だぁ〜からダメだって!! それに私、女の子ッッ!!」
緒方はもう両手で田中の右腕にしがみつき、靴の踵を引き擦られるようにしながら
必死で田中をその場に押し止めようとしていた。
抜群の運動神経を持つ長身の少女だが、
大柄な 「男」 である田中を押し止めるには流石にパワーが足りない。
「池君もなんとか言ってやって! っていうか手伝ってッ!
この時代錯誤の即席熱血バカ何とかしてぇ〜!」
少々乱暴な口調だが、これも彼女の田中を想う気持ちがそうさせているのだろう。
しかし、次の瞬間池が言い放った言葉は。
「よし! 行ってこい!」
眼鏡越しの鋭い視線で、両腕を組みながら彼ははっきりとそう言った。
「!!」
「!?」
予期せぬ彼のその言葉に、腕にしがみついたままの緒方は勿論
しがみつかれている田中までもが細い目を見開いてその場で停止する。
「骨は僕が拾ってやる! 悔いのないようになッ!」
「ちょ……ちょっと……池……君……?」
まだ事態が認識出来てない緒方の両手から、田中の右腕がするりと抜け出る。
そして田中は、その歓びの表情を隠そうともせずに真正面から池をみつめ、
「池……まさか……まさかお前がそう言ってくれるとはな……
まさか……“まさか”……ってカンジだが……グッっときたぜ……ッッ!!」
感慨入った表情で右手の親指をグッと立てる。
連られたのか池も両腕を組んだまま同じ仕草で応じる。
その彼の行為に俄然勢いを付けられた田中は唖然とする緒方に背を向け、
「よしッ! 行くぞ! 佐藤! 例えこの身朽ち果てようとも!」
「あぁ! 死ぬときは一緒だぜ! 田中!」
「あ、あぁ〜ッ!」
呆気に取られながらも前方にもう届かない右手を伸ばす緒方を後目に二人は、
“明日っていまさ” 等と何だかよく解らない台詞を吐き
そして意味不明の喊声を発しながら可憐な女生徒達の遙か前方に位置する
空条 承太郎と花京院 典明に向かって突撃し……
そして、見事に散った。
(詳細は、二人の 「名誉」 の為に敢えて伏せる。
まぁ何とか女生徒の群を掻き分けて目的の 「二人」 の射程距離に到達した刹那、
自分達の背後から迫る異様な存在を鋭敏に察知していた 「先生」 の、
スタンドに匹敵する左拳の片手弾幕がゼロコンマ一秒以下の速度で
佐藤、田中両名の全身に隈無く叩き込まれたとだけ言っておこう)
「やはり、こうなったか……」
「バカ……」
余りにもお約束過ぎるその展開に、池は両腕を組んだまま、
緒方は
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